2009 Fiscal Year Annual Research Report
ストレスによって生じる脳機能障害の水素分子による改善
Project/Area Number |
20500345
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
大澤 郁朗 Nippon Medical School, 老人病研究所, 教授 (30343586)
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Keywords | モデル動物 / 酸化ストレス / 認知・記憶障害 |
Research Abstract |
本研究は、うつ病などを含む気分障害のモデルとなるストレス負荷動物に対して酸化ストレスの効果的な抑制剤である水素分子を投与することで、ストレスによって生じる酸化ストレスを抑制、海馬におけるニューロン新生の低下を回復し、海馬に依存した認知・記憶障害やうつ症状を抑制する効果について検討するものである。 20年度はマウスに6週間、1日10時間の拘束ストレスを負荷し、水素を飽和量含有する水(水素水)を与える実験を行った。水迷路テスト、受動回避テスト、新奇物体探索テストの結果から、ストレスで生じた認知・記憶障害が水素水の投与により抑制されることが判明した。また、拘束により海馬歯状回における神経前駆細胞新生低下が認められたが、これも水素水の投与群では抑制されていた。さらに拘束ストレスによって蓄積する海馬領域の酸化ストレス(4-HNEやMDAを指標とした)は、水素水の投与により抑制されていた。以上の結果は、本年度、Neuropsycopharmacology誌で報告した。 そこで、21年度は慢性ストレスによるうつモデルでの水素水の効果を検討した。マウスに3週間、複数のストレスを組み合わせて与え、強制水泳テスト、尾懸垂テスト、オープンフィールドテスト、sucrose preference testなどで評価した。その結果、これらのテストでは水素水によるうつ症状の改善は見られなかった。しかし、このモデルでの海馬歯状回における神経前駆細胞新生低下は水素水の投与で抑制されたことから、水素水のうつに対する効果について、引き続き検討する必要がある。
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Research Products
(15 results)