2008 Fiscal Year Annual Research Report
15デオキシ-デルタ12,14-プロスタグランジン J2 膜標的分子の同定
Project/Area Number |
20500346
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Research Institution | Himeji Dokkyo University |
Principal Investigator |
矢上 達郎 Himeji Dokkyo University, 薬学部, 教授 (00363812)
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Keywords | 15d-Δ^<12,14>-PGJ_2 / Neuron / Plasma membrane / Reactive Oxygen species / apoptosis / glycolytic enzyme / molecular chaperone / Cytoskeleton |
Research Abstract |
15-deoxy-Δ^<12,14>-prostaglandin J_2(15d-Δ^<12,14>-PGJ_2)の前駆体であるPGD_2は、神経細胞・アストロサイト・マイクログリアのいずれからも産生され、アルツハイマー病・脳卒中等の神経変性疾患において増加するが、その病理的役割については不明であった。我々は、神経細胞膜上に15d-Δ^<12,14>-PGJ_2特異的結合部位を検出した。本課題において、15d-Δ^<12,14>-PGJ_2膜標的分子候補として11個のタンパク質を同定した。細胞骨格(Actin β, F-actin-capping protein,tublin β, intemexin αand glial fibrillary acidic protein)・解糖系酵素(enolase 1, enolase 2, pyruvate kinase isozymes M1/M2 and glyceralde hyde 3-phosphate dehydrogenase(GAPDH)), molecular chaperones(heat shock protein 8(Hsp8a)and T-complex protein 1 subunit α)・分子シャペロン((heat shock protein 8(Hsp8a)and T-complex protein 1 subunit α)の3種類のタンパク質に分類された。一方、Tublin βとGAPDHがアルツハイマー病原因タンパク質であるアミロイドβペプチドと相互作用することが報告されており、15d-Δ^<12,14>-PGJ_2はアミロイドーシスのメディエィターであることが示唆された。神経細胞以外にアミロイドーシスを受ける末梢細胞が報告されており、その中に15d-Δ^<12,14>-PGJ_2が毒性を示し、かつ15d-Δ^<12,14>-PGJ_2の膜特異的結合部位を有する細胞を見出した。かくして、15d-Δ^<12,14>-PGJ_2は、中枢ばかりでなく末梢組織においてもアミロイドーシスのメディエイターであることが示唆さされた。本課題において見出された15d-Δ^<12,14>-PGJ_2膜標的タンパク質はアルツハイマー病ばかりでなく抹消アミロイドーシスにも関与していることが示唆され、発症機序の解明および新規治療薬のターゲット発見に繋がる。
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Research Products
(7 results)