2008 Fiscal Year Annual Research Report
視覚経験によって変化する神経回路と睡眠・覚醒時の神経活動の役割
| Project/Area Number |
20500364
|
|---|
| Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
|---|
Principal Investigator |
宮本 浩行 The Institute of Physical and Chemical Research, 神経回路発達研究チーム, 研究員 (90312280)
|
|---|
| Keywords | 睡眠・覚醒 / 視覚系 / 可塑性 / 抑制系 / マルチユニット活動 / 大脳皮質 / 行動マウス / 神経活動 |
|---|
| Research Abstract |
脳内の神経回路網の形成、機能発達において神経活動は重要な役割を持つと考えられている.しかし回路網が変化する過程における生体脳で実際にどのような神経活動パターンが生じ回路網に変化がおきているのかは明らかになっていない.また神経活動パターンは睡眠・覚醒状態により強くコントロールされていることが知られている.これらをふまえ本研究は行動マウス視覚野の神経細胞活動と睡眠・覚醒に焦点をあて視覚野可塑性の過程について解析している.
実験的にはマウス視覚野に複数のテトロード電極を埋め込み、脳波とともに局所領域から複数の細胞からの神経活動を分離・同定する。行動中のマウスに時間制御されたLEDで光刺激を与え神経細胞の睡眠/覚醒状態依存性、視覚応答性や神経細胞間の機能的結合を解析している.眼優位可塑性を回復させることができる抑制系神経伝達に影響する薬物投与実験と組み合わせ、睡眠時のシナプス結合の強化が可塑性に関与するという幾つかの知見を得た。
本年度はとくに同一細胞群の神経活動を長時間(2週間以上)慢性記録し追跡・解析することを主眼とした.すでに複数例の動物で技術的に十分可能であることが明らかとなっている.さらに視覚経験の操作、薬物による操作を与えた場合の実験データも取得することができ、適切な解析手法も確立しつつある.現在、興奮性・抑制性細胞の発火頻度、視覚応答性、機能的結合、局所電場電位の時間的変動と変化を調べている.
|
