2009 Fiscal Year Annual Research Report
骨格筋におけるコネクチンおよびカルパインp94を介したシグナル伝達の解析
Project/Area Number |
20500369
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Research Institution | National Agricultural Research Organization |
Principal Investigator |
尾嶋 孝一 National Agricultural Research Organization, 畜産草地研究所食肉プロテオーム研究チーム, 研究員 (60415544)
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Keywords | p94 / 骨格筋 / カルパイン |
Research Abstract |
骨格筋特異的カルパインであるp94は骨格筋の収縮・伸展刺激に応じてサルコメア内で局在変化を起こすこと、しかもその局在変化はp94のプロテアーゼ活性に依存していることを以前に報告した。昨年度は、骨格筋の収縮・伸展刺激に応じたp94の局在変化の生理的な意義について明らかにすることを目的として研究を行った。骨格筋の収縮・伸展刺激のモデルとして野生型マウス、およびプロテアーゼ活性不全のp94を野生型p94の代わりに発現するp94遺伝子改変マウスに運動負荷を与え、運動直後に骨格筋を採取し、運動刺激の有無によるp94のプロテアーゼ活性能を検討した。その結果、野生型マウスでは運動刺激によりp94のプロテアーゼ活性が活性化することを見出した。一方、p94遺伝子改変マウスでは運動後に筋線維の変性・壊死が観察された。この結果はp94のプロテアーゼ活性がないと運動刺激において筋線維が変性・壊死すること、すなわち骨格筋の運動ストレス防御に対してp94のプロテアーゼ活性が必要であることを示唆している。次に、運動刺激でp94が活性化することから、p94の基質候補分子の探索を行った。すなわち、運動刺激の有無、および野生型、遺伝子改変マウス由来の骨格筋試料をiTRAQにて標識後、質量分析計により、定量的かつ網羅的にタンパク質を解析した。現在、運動刺激の有無、および野生型-p94の遺伝子改変マウス間において増減するタンパク質に注目することで、p94の基質候補を探索している。
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Research Products
(2 results)