2008 Fiscal Year Annual Research Report
未成熟精細胞を用いたマウス超迅速近交系化技術の確立
Project/Area Number |
20500383
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
越後貫 成美 The Institute of Physical and Chemical Research, 遺伝工学基盤技術室, 技師 (40373287)
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Keywords | 実験動物 / 発生工学 / 顕微授精 |
Research Abstract |
新たなコンジェニック系統の樹立には、性成熟マウスを用いた戻し交配を行うために1世代約2.5-3ヶ月かかり、系統樹立までに2年以上という長い月日を要する。このため本来の研究開始真で長時間待たなければならないのが最大の欠点である。本研究では自然交配の代替として未成熟マウスの生殖細胞を用いた顕微授精技術と多型マイクロサテライトマーカーによる選抜システムを併用することで1世代交代あたりの時間短縮を図る超スピードコンジェニック法の確立を試みた。 未成熟マウスの生殖細胞を顕微授精に用いるにあたり、実用的レベルとして最若何日齢の生殖細胞を用いることが可能か、生後18-24日齢雄マウス精巣中の円形精子細胞の占める割合を算定したところ、生後22日齢以降の円形精子細胞であれば安定して多数の産仔を得られることが予想された。次に既存の遺伝子改変マウスを用いてC57BL/6コンジェニック化を試みた。トランスジェニックマウス2系統についてはそれぞれ5世代188日および230日でマーカー上でのコンジェニック化が完了した(74マーカー)。またノックインマウスも3世代106日でコンジェニック化か完了した(86マーカー)。ENUマウスも190日で5世代目(172/176マーカー)に至り、現在は体外受精でコンジェニック化を進めている。顕微授精技術と多型マーカーによる選抜を組み合わせることにより従来の約半分の期間でコンジェニック化できることが明らかになった。
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