2009 Fiscal Year Annual Research Report
心臓標本の膜活動電位・Ca動態高空間時間分解能同時光マッピング法の開発
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20500387
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐久間 一郎 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 教授 (50178597)
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Keywords | 生物・生体工学 / 循環器・高血圧 / 生体生命情報学 / 可視化 |
Research Abstract |
本研究では、不整脈の成因の一つと考えられる激発活動(Triggered Activity)の研究に重要と考えられる、心筋標本での興奮伝播の際の細胞膜活動電位と膜活動電位・Ca動態高空間時間分解能の同時計測システムを試作を行っている。フィルタ切り替え方式の試作を行ったが、検出感度の限界や、光学設計上の課題があること、ならびに実験条件の最適化が必要であることが予備的な実験で明らかになった。そこで、まず最終的な光学フィルタ切り替え式を用いる前に、実験条件の最適化や画像計測系に求められる性能を実験的に確認するために、従来法と同様に、心臓標本からの蛍光信号をカットオフ波長630nmのダイクロイックミラーで分割し、一方をカットオフ波長700nmのロングパスフィルタ、そして他方を中心波長585nmのバンドパスフィルタを透過させ、2台の高速度カメラで撮影するシステムを構築し、実験を行った。また、膜電位画像とCa画像を正確に重ね合わせるためのレジストレーションアルゴリズムの検討を行った。 同システムを使用し、撮影速度を60fps,125fps,250fps,500fpsで行い信号状態を確認した。Ca信号についてはS/N比こに問題があるものの、膜電位信号とCa信号の同時計測が可能であった。このことから適切な条件のもとで125fbs-250fbsでの計測は可能であるとの予備的な結果を得た。 昨年度検討したフィルタ切り替え機構を有する撮影システムの光路設計を行い、より面積の小さな光学フィルタの切り替えで複数色素の計測が可能となるシステムの再設計と試作を今後進める予定である。また本年度検討した電位画像とCa画像を正確に重ね合わせるためのレジストレーションアルゴリズムは、この場合でも光学フィルタのわずかな傾きなどで生じる画像のずれの補正に使用可能であると考えられる。
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Research Products
(3 results)