2008 Fiscal Year Annual Research Report
X線CT装置の空間分解能を活用した定量的な画像診断能の向上に関する研究
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20500389
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
大久保 真樹 Niigata University, 医歯学系, 准教授 (10203738)
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Keywords | 点広がり関数(PSF) / X線CT装置 / 変調伝達関数(MTF) / 空間分解能 / 線広がり関数(LSF) / 画像シミュレーション |
Research Abstract |
X線CT装置の空間分解能を活用した定量的な画像診断能の向上を目的として、3次元CT画像生成シミュレーションの手法を確立する。このシミュレーションでは、CT装置の空間分解能指標である点広がり関数(Point Spread Function; PSF)が必要である。そこで、まずPSFを高精度に測定するための新たな手法を考案した。この手法は、我々がこれまでに報告してきたPSFの精度検証法を応用したものである。市販の高コントラスト分解能測定用ファントムを用いてCT撮像を行い、PSFの算出およびその精度検証を一括して行える手法である。4機種のCT装置における種々の再構成関数(総計21種類)について、考案した手法によりPSFの測定を行った。その結果、いずれの再構成関数においても、測定されたPSFの精度が高いことが確認された。PSFあるいは変調伝達関数(Modulation Transfer Function;MTF)は、CT装置における重要な物理特性指標の一つであるにも関わらず、その精度に関して、これまでに十分な検証が行われてきたとはいえない。特に、我々の目的とするCT画像シミュレーションでは、高精度なPSFの測定が不可欠である。考案した手法は、高精度なPSF測定法として広く普及し、さらに、PSFの臨床画像への積極的な活用にもつながることが期待される。 測定された高精度PSFを用いて、画像生成シミュレーションの手法を確立した。肺内結節を想定した微小球体ファントムを用いて、その撮像画像と計算画像を比較した。その結果、それらの差異は小さく、精度の高いシミュレーションが実現できた。多様な装置、撮影・再構成条件における肺内結節のCT画像の理解につながる手法であり、意義は大きい。
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