2010 Fiscal Year Annual Research Report
X線CT装置の空間分解能を活用した定量的な画像診断能の向上に関する研究
Project/Area Number |
20500389
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
大久保 真樹 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (10203738)
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Keywords | 点広がり関数(PSF) / X線CT装置 / 変調伝達関数(MTF) / 空間分解能 / 線広がり関数(LSF) / 画像シミュレーション |
Research Abstract |
胸部CT画像においては、肺内結節の形状や広がりを認識し精度の高い診断を行ったり、3次元的な大きさや体積を正確に評価するうえで、濃度閾値が重要な因子の一つになる場合が多い。そこで、昨年度までに確立したCT装置の空間分解能(Point Spread Function : PSF、Modulation Transfer Function : MTF)に基づく3次元CT画像シミュレーションにより、閾値設定と、それによって抽出される領域の体積との関係について、定量的な解析を行った。 まず、シミュレーション解析の精度を検証するために、球体ファントムを撮像し実測に基づいた解析結果との比較を行った。その結果、シミュレーションにおける濃度閾値と抽出される領域の体積との関係が、ファントムを用いた実測に基づく結果と比較すると、平均で約5%以下の差異となることから、シミュレーションの妥当性が確認された。 結節の体積を正確に算出するための設定閾値は、結節の濃度が一定である場合でも大きさによって変動し、さらに、画像再構成関数、スライス厚、および結節を横切るスライス位置にも大きく依存することが定量的に示された。また、長さや幅などの測定に広く用いられている半値幅の考え方に基づき、描出された結節における濃度の半値を閾値に設定して体積を算出したところ、結節の大きさや画像再構成条件によって、体積測定精度が大きく異なることが明らか,となった。このような解析には、3次元CT画像シミュレーションが有用であり、本研究における結果は、種々のセグメンテーションや3次元的な計測および体積測定に関わる手法の開発・改良の際に基礎を与えるものと考えられ、精度の高い診断につながる基礎データとしての有効性が示唆された。
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Research Products
(9 results)