2008 Fiscal Year Annual Research Report
視覚連合野細胞活動の相関性を強調した光学的計測法の開発
Project/Area Number |
20500393
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
王 鋼 Kagoshima University, 工学部, 教授 (40274831)
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Keywords | 内因性光計測 / 視覚野 |
Research Abstract |
内因性光学的計測法は,色素を用いず皮質そのものの光学的性質を利用して,皮質表面の広い領域から神経細胞の活動を間接的に同時に測定することができる.in vivoの計測法として,特にコラムのような神経細胞集団の配列をマッピングする大脳機能的構築の研究に広く使われている.内因性光学的信号は皮質細胞の代謝活動を反映するため,信号の立ち上がりは神経細胞の活動より数百ミリ秒の遅れが生じる.そのため,これまでは信号の時間的要素をあまり重視してこなかった.しかし,光学的反応の時間的な情報は,皮質の局所神経回路における細胞活動のダイナミクスを明らかにするのに重要である.そこで本研究では,反応の標準時間的テンプレートを構成し,この標準反応テンプレートを時間的にずらしながら皮質から得られた光学的反応の時系列との相関係数を計算した.これらの相関係数を比較することによって,皮質各々の部位における反応の潜時を評価する方法(ダイナミクスマップ)を提案し,視覚野皮質機能的構築の研究に適用した.視覚刺激と視覚野皮質における反応のタイミングを評価するパラメータとして時系列間の相関係数を用いることによって,信号の時間的な変化の様子を明らかにすることができた.本研究によって提案されたダイナミクスマップは,刺激に対する皮質各部位の反応の変化を時間的に追うことができた.本研究の結果は,提案の有用性を証明したと同時に,内因性光学的反応の特性に関する新たな見解をもたらした.
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