2010 Fiscal Year Annual Research Report
脳電磁界計測を用いた脳神経活動の5次元イメージング
Project/Area Number |
20500394
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
関原 謙介 首都大学東京, システムデザイン研究科, 教授 (40326020)
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Keywords | 脳電磁界計 / 脳神経活動 / 事象関連同期 / 信号源推定 / イメージング / 脳機能の機能的結びつき |
Research Abstract |
事象関連脳律動を再構成しようとする場合,事象関連脳律動は背景脳活動より通常1桁小さいため背景脳活動の影響を何らかの方法で除去する必要がある.この除去の方法としてこれまでの研究において(A)プリホワイトニング・アダプティブ空間フィルターを基にしたアプローチおよび(B)変分ベイズ推定法を基にしたアプローチの優劣を評価した.(A)のプリホワイトニング空間フィルターではコントロール時間窓から求めたデータ共分散行列により,ターゲット時間窓から求めた共分散行列を白色化することにより背景脳活動の影響を除去して関心対象の脳活動を選択的に再構成する方法である.また,(B)の方法は脳活動が比較的少数の因子とノイズの和に分解できると仮定し,コントロールデータから背景脳活動を表す因子と混合行列を求め,これを用いてターゲットデータから関心対象脳活動を表す因子と混合行列を求めることにより背景脳活動を除去し信号成分のみを抽出する.先に述べたように、これらの方法はコントロール時間窓は背景脳活動のみを含み,ターゲット時間窓は背景脳活動と関心対象信号を含むとの前提が必要である.しかし,実際には事象関連脳律動はコントロールとターゲット時間窓の間では強度が変化するのみで両方に存在する.このような方式が仮定する前提条件と実際のデータ計測時の条件のズレに対して(A)および(B)のアプローチが頑強であり実用上問題がないとの結論を得た.さらに昨年度までの研究で,再構成された信号源波形からコヒーレンスを計算し,脳活動の連関を調べる方法について研究を行い,コヒーレンスの虚部を用いる事の有効性を検証した.また,さらに,あるボクセルとその他の全てのボクセルとのコヒーレンス虚部の平均を計算する事によりそのボクセル位置での脳神経活動の活性度を評価できることを見出した.H22年度においてはコヒーレンスの虚部を用いることにより,再構成アルゴリズムのリークによって生じるシードブラーとよばれるアーチファクトを除去できることを理論的な解析と,それを裏付ける実験データによって示した。また,脳活動間の情報の流れや因果的関連を計測・推定できる方法についても検討を進め,多変数自己回帰モデルを用いてグランジャー因果因子を計算することで因果的関連を推定する基本的な検討を行った.この際,多変数自己回帰行列の推定にベイズ推定を基にした手法を用いることで計測時に重畳する自発脳磁界の影響を低減できることを見出した.H23年度においては,多変数自己回帰モデルを用いた方法の有効性を実験データで確認することにまず取り組む.さらにコヒーレンス虚部の平均から脳組織の活性度を計算する方法については,精神疾患の診断への応用に研究を続ける
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Research Products
(17 results)