2009 Fiscal Year Annual Research Report
心筋梗塞急性期における循環動態のコンピュータ制御による、迷走神経刺激治療法の確立
Project/Area Number |
20500404
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
上村 和紀 National Cardiovascular Center Research Institute, 循環動態機能部, 室員 (10344350)
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Keywords | 急性心筋梗塞 / 心不全 / 再灌流療法 / 迷走神経 / 炎症 |
Research Abstract |
急性心筋梗塞にたいする冠動脈再灌流療法のAdjuvant therapyとしての迷走神経電気刺激療法の意義を確立する研究を行った。ウサギの心筋虚血再灌流モデルを用い、心筋虚血再灌流急性期に迷走神経刺激することで遠隔期の心室リモデリングを抑制し、心不全発症を抑制しうるか?迷走神経刺激の抗炎症作用が治療効果にどのようにかかわっているか?を明らかにした。 ウサギの左冠動脈を60分間虚血後再灌流した。プロトコル(1)において:8羽のウサギ(VS群)において冠動脈閉塞直後に右迷走神経の電気刺激(2-5V,1msecパルス幅,20Hz)を開始、8羽のウサギ(MI群)を非治療対照群とした。心筋梗塞後、24時間の時点でVS群はMI群に比較し、心筋腫瘍壊死因子(TNF)・間質蛋白分解酵素(MMP-8/9)の活性はVS群で有意に低下、組織内に浸潤した好中球は有意に減少していた。プロトコル(2)において:14羽のウサギ(VS群)において冠動脈閉塞直後に右迷走神経の電気刺激を開始し3日間刺激、16羽のウサギ(MI群)を非治療対照群とした。梗塞作成後8週間の時点で、VS群に左心室駆出率(VS:56±4, MI:43±3%,p<0.05)、左心室重量(VS:3.0±0.1,MI:3.6±0.1mg/g体重,p<0.01)における有意な改善を認めた。心筋梗塞範囲はVS群で低下していたが、両群間で心筋梗塞範囲をマッチさせて解析してもVS群において左心室重量は低下し心室リモデリングの有意な改善が認められた。 以上より迷走神経を、冠虚血再灌流後の3日間電気刺激するだけで心筋梗塞後左心室リモデリングを劇的に改善できることが確かめられ、再灌流時の炎症抑制作用がVSの治療効果に貢献していることが確認された。また研究結果の詳細を以下の論文にまとめ発表したEarly Short-Term Vagal Nerve Stimulation Attenuates Cardiac Remodeling After Reperfused Myocardial Infarction. Kazunori Uemura. et al. Journal of Cardiac Failure. 2010 in press. Available online at http://www.journals.elsevierhealth.com/periodicals/yjcaf/inpress
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Research Products
(9 results)