2008 Fiscal Year Annual Research Report
慢性閉塞性血管病変に対する血管再生医療に有用な医用材料の開発
Project/Area Number |
20500405
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
永井 亜希子 Tokyo Medical and Dental University, 生体材料工学研究所, 特任講師 (40360599)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 仁大 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 教授 (70174670)
田中 優実 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助教 (00436619)
中村 美穂 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助教 (40401385)
王 巍 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 研究機関研究員 (60451944)
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Keywords | 分極ハイドロキシアパタイト / 血管リモデリング / 医用材料 |
Research Abstract |
1. スラリー状アパタイト誘電体の作製と基礎物性の検討 平成20年度は、まず、本研究計画の特徴の一つであるスラリー状のハイドロキシアパタイト誘電体を作製した。既報通りの方法で、ハイドロキシアパタイト誘電体をバルクで作成後、パウダー状に調整し、走査型電子顕微鏡で確認した。その後、基剤との混合比率などの最適化をはかった。基礎物性についての評価は、X線回折及び赤外吸収スペクトル測定にて確認を行った。 2. 培養細胞系による評価 培養細胞を用いて、パウダー状アパタイトの細胞への影響を調ベた。具体的には、MTTアッセイを用いて細胞の代謝活性を調べて材料による細胞障害及び細胞静止作用の解析を行った。またアポトーシスアッセイを行い材料細胞死への影響について調べた。これらの結果より、この材料による細胞毒性はないことが確認された。 3. 動物実験系(ウサギ)による評価 動物の血管障害性内膜肥厚モデルを既報通り作製した。この血管の周囲に作製した分極アパタイト含有スラリーを塗布し、その後1ヶ月間に渡り、血管病変の変化を観察した。少なくとも1ヶ月、術後に生じる内膜肥厚を抑制することに成功し、さらに生理学的評価により、この血管が拡張機能も保持することが分かった。 21年度以降は、分極アパタイト含有スラリーによる血管リモデリングへの影響について、その制御機構の解明を集中して検討し、慢性閉塞性血管病変の新たな医用材料として応用できるのかについて探求を行う予定である。
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Research Products
(16 results)