2009 Fiscal Year Annual Research Report
慢性閉塞性血管病変に対する血管再生医療に有用な医用材料の開発
Project/Area Number |
20500405
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
永井 亜希子 Tokyo Medical and Dental University, 生体材料工学研究所, 准教授 (40360599)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 仁大 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 教授 (70174670)
田中 優美 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助教 (00436619)
中村 美穂 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助教 (40401385)
王 巍 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 研究機関研究員 (60451944)
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Keywords | 分極バイオセラミックス / 血管リモデリング / 医用材料 / 再生医療 |
Research Abstract |
今年度は、分極セラミックス複合材料中のセラミックス材料の改良を行った。材料の主成分であるハイドロキシアパタイトは、リン酸基の炭酸基へのイオン置換を行うことにより、より生体硬組織の無機成分に近い化学組成とすることができ、溶解性が少し向上した。 昨年度作製した血管内膜肥厚モデルを用いた動物実験を行った.このモデルは内頸動脈の内皮細胞に人為的な機械的障害を与え、その後の血管リモデリングの過程を観察するものである。この手術め際に、分極アパタイト複合材料を血管病変部外周に設置し、そのリモデリング過程への効果を摘出した血管標本を用いて、形態の変化を組織学的に機能の変化を生理学的に評価した。分極アパタイト複合材料は、病変部の血管リモデリングを正常化させたことが示唆された。 インビトロにおいては、培養細胞系を用いた細胞活性などの基礎的な試験などは昨年度に終了している。今年度は、動物実験により観察された分極セラミックス含有材料により引き起こされていると推定される血管リモデリングへの影響について、細胞レベルでの解析を進めた。血管平滑筋細胞がキャラクター変化について、細胞生物学的及び分子生物学的手法を用いて検討したところ、細胞が増殖型から収縮型ヘフェノタイプ変換起こしていると考えられた。 これらの結果から、分極アパタイト複合材料は血管リモデリング時の血管平滑筋の異常増殖を抑制すると考えられ、慢性閉塞性血管病変の進展予防に効果を発揮すると考えられた。
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Research Products
(22 results)