2010 Fiscal Year Annual Research Report
慢性閉塞性血管病変に対する血管再生医療に有用な医用材料の開発
Project/Area Number |
20500405
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
永井 亜希子 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 准教授 (40360599)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 仁大 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 教授 (70174670)
中村 美穂 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助教 (40401385)
王 巍 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助教 (60451944)
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Keywords | バイオセラミックス / 分極 / マイクロアーク陽極酸化法 / 生体親和性 / チタニア / 光触媒 |
Research Abstract |
バイオセラミックスは生体親和性に優れるが、生体内で活用する場合に高硬度と低靭性という特性により形づくりの難しさが問題となる。前年度の生体評価のフィードバックとして、本年度では、セラミックスを粉末や膜状にして他の材料と複合化させたときの操作性をよくするプロセスについても再度検討した。金属や高分子材料との複合化の際、それぞれに適したバイオセラミックスを選択する必要があると考えられる。前年度までは、分極バイオセラミックス材料としてハイドロキシアパタイトを高分子と複合化させ、血管病変に対して血管外からのアプローチを行った。今年度はアプローチを血管外から血管内アプローチのものに拡げるために、金属とバイオセラミックスの複合化材料の作製とその表面改変を行った。血管内に持ち込む金属にセラミックスを膜状にコーティングするためにはより強度の接合を得るために、その金属の酸化被膜セラミックスのコーティングを行った。チタン金属上に作製した酸化チタン(チタニア)薄膜についての研究を進めた。マイクロアーク陽極酸化法にて作製したチタニア薄膜は、多孔質で、電解質溶液や印加する電圧によりその厚さや化学組成を変化させることができることが分かった。チタニアは光触媒作用でも知られている。紫外線照射や分極処理により、コーティング表面の親水性を増加させることができ、この親水性の亢進で、材料のタンパク質や細胞との相互作用を増加させ、生体親和性が向上した。生体不活性である金属酸化物バイオセラミックスも物理的化学的表面修飾を施すことで、増殖因子などを用いずに生体親和性を増強させることができることを示せたことは意義がある。
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Research Products
(18 results)