2010 Fiscal Year Annual Research Report
生体活性チタン材料の高機能型運動器再建医療への応用
Project/Area Number |
20500407
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
竹本 充 京都大学, 医学研究科, 助教 (00456873)
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Keywords | 人工骨 / 多孔性チタン / 生体活性 / BMP / 軟部組織接着能 / Rapid prototyping |
Research Abstract |
生体活性処理チタン製インプラントに軟部組織結合能を付与することで高機能の運動器再建を可能にすることを目的とする。平成22年度は、インプラント表面に形成させた骨組織と軟部組織を接着させる技術の開発と評価について平成21年度までの研究を継続するとともに、骨欠損及び軟部組織を効果的に再建するためのインプラントデザインを行った。 平成21年度までの成果により、インプラント表面に形成させた骨組織と軟部組織を結合する技術が確立した。具体的には多孔性チタン材料に対し、生体活性処理を行った後、BMPを含有させて腱内に埋入するというものである。この方法により、生体活性処理後、BMPを含有させなかったチタン板に比較して長期にわたり非常に強い結合強度で腱と接着することが明らかになった。さらに本年度は、この技術を実際に臨床応用するため、骨欠損及び軟部再建に適した人工骨及び人工関節の形状を解析し、選択的レーザー溶融法を用いたrapid prototyping (PR)法により実際にチタンインプラントを造形する技術の開発を進めた。その際、骨及び腱との接着部について、最適な多孔構造の検討を行った。 以上の成果により、チタンインプラントの表面の多孔化及びBMP含有により、チタン材料と軟部組織を高い強度で接着させた、高機能型運動器再建医療への道筋が示された。 一方、RP法ではこれまで採用してきた気孔形成剤を使用したチタン粉末焼結法に比較して大きなサイズの気孔となる。そのため、臨床応用を意図してRP法で造形したチタンインプラント多孔部と軟部組織の力学的接着についての評価と最適化を行う必要があり、現在準備を進めている。
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Research Products
(4 results)