2008 Fiscal Year Annual Research Report
細胞接着因子のコーティングによる小口径脱細胞化グラフトの再細胞化に関する研究
Project/Area Number |
20500409
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
神原 保 The University of Tokushima, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (20380082)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北川 哲也 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (80240886)
川人 伸次 徳島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (60284296)
黒部 裕嗣 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (30380083)
浦田 将久 徳島大学, 医学部・歯学部附属病院, 医員 (40448337)
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Keywords | 脱細胞化 / 小口径グラフト / 細胞接着因子 / コーティング / 再細胞化 |
Research Abstract |
微小血管グラフトの意図するところは、おおよそ直径3mm程度の血管であり、その使用意図としては、冠動脈バイパス手術や膝下以下バイパス手術があげられる。そのため、今回は、絹繊維からできた直径3mmの人工血管(自己作成)を用意した。本試作血管では、従来の人工血管と違い、本人工血管のmatrix自体が長い時間を経れば体内で分解され、自己組織で置換され、より自己組織に近い状態での微小血管の作成が期待できる。一方で、やはり急性期における血栓性とそれにともなう閉塞が最大の問題であり、現在その抗血栓性を持たせた人工血管の開発に努めている。 一方で、人工血管の機能評価のためには、実験系・評価方法の確立もまた重要であり、今回我々は、豚を使用することによりその評価を行うこととした。具体的には、食用豚50kg前後のものを全身麻酔し、頸動脈・大腿動脈を剥離し、全身ヘパリン投与後に、前述の直径3mmの人工血管にて置換することとし、実際に本年度、2頭の豚を用いて技術的評価を行った。結果としては、前述の人工血管を用いた微小人工血管の頸動脈・大腿動脈への移植実験では、吻合部の狭窄がないにもかかわらず、約二ヶ月後には閉塞を来しており、グラフトの抗血栓性の開発が至上課題である一方、動物実験での評価方法確立は十分になしえた。 今後、血管の脱細胞化、細胞接着因子や抗凝固能をグラフト自体に持たせる技術的な開発を継続して行い、微小人工血管の最大の問題点である急性期での血栓によるグラフト閉塞の防止方法の開発につとめる。
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