2008 Fiscal Year Annual Research Report
PEGをグラフトした直鎖状カオチン性高分子の腫瘍集積性と細胞膜透過性の解析
Project/Area Number |
20500410
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
狩野 有宏 Kyushu University, 先導物質化学研究所, 助教 (30403950)
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Keywords | PEG / PLL / 共重合体 |
Research Abstract |
ポリ-L-リシン(PLL)側鎖にポリエチレングリコール(PEG)をグラフトしたカチオン性共重合体(PLL-g-PEG)はsiRNAなどの核酸と安定な複合体を形成し、優れた血中滞留姓と腫瘍集積性を示す。しかし、核酸との結合性、および腫瘍集積性に及ぼすPLL, PEG鎖長、PEGグラフト率の影響ははっきりしていない。そこで、本研究課題では様々な鎖長、グラフト率のPLL-g-PEGを系統だって合成し、核酸との結合性へ及ぼすPEGグラフト鎖の影響を詳細に解析し、また、PLL-g-PEG共重合体の腫瘍集積性における最適構造を見いだすことを目的としている。本年度は主としてMw7,000(7k)のPLLの側鎖アミノ基(ε-アミノ基)に、Mw2,000のPEGをそのグラフト率を変えて修飾した。反応は、末端にアルデヒド基を有するPEGとPLLを90%DMSO,10%の0.1Mホウ酸バッファー中で混合し還元剤シアノホウ素酸ナトリウムを添加して進行させた。透析後、ゲルクロマトグラフィーにより未反応のPEGの除去を確認し、動的光散乱により分子量を見積もり、PEGグラフト率を産出した。PEG仕込み率と反応時間を逐次変えた結果、PEGグラフト率が、5、10、25、40、60、80、そして100%の共重合体が得られた。現在元素分析によりPEGグラフト率の最終確認を行っている。正確なグラフト率は元素分析の結果を待つ必要が有るが、グラフト率100%も含めて、細かくグラフト率の異なる其重合体が合成でき、siRNAとの親和性に及ぼすPEG鎖の影響を調べる上で、貴重な試料になると考えられる。
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Research Products
(1 results)