2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20500412
|
Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
吉川 大和 Tokyo University of Pharmacy and Life Science, 薬学部, 講師 (20274227)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三高 俊広 札幌医科大学, 医学部, 教授 (50231618)
野水 基義 東京薬科大学, 薬学部, 教授 (00311522)
|
Keywords | 細胞外マトリックス / ラミニン / 肝細胞 / バイオマテリアル / ペプチド / 細胞接着 / 細胞培養 |
Research Abstract |
肝細胞と人工装置を組み合わせたハイブリッド型人工肝臓の開発において、単離された肝細胞の代謝機能を維持できる培養基質が求められている。これまでにマウス肉腫由来の基底膜ゲル(通称:マトリゲル)が単離された肝細胞の代謝機能を維持できると知られている。しかしながら、マトリゲルはマウス由来であることからヒトへの応用はできない。本年度の研究では、マトリゲルの主要成分であるラミニン-111の細胞接着に関わるα1鎖に着目し、合成ペプチドを用いて肝細胞の代謝機能の維持に関わるラミニン機能部位の探索を行なった。まず、ラミニンα1鎖のアミノ酸配列に基づいた11-13残基のペプチドを合成し、肝細胞を接着させるペプチドの探索を行なった。細胞接着活性は、合成ペプチドを96穴のELISAプレートに吸着させ、ブロッキングの後、肝細胞を播種し、接着した細胞数を測定することで評価した。その結果、16種類のペプチドが肝細胞に対して細胞接着活性を示した。 なかでも、N末端付近に存在するアミノ酸配列に基づいたA13(RQVFQVAYIIIKA)に強い細胞接着活性を見出した。次に、肝細胞接着ペプチド上で培養した肝細胞の代謝機能を肝分化マーカー遺伝子の発現レベルで評価を行った。肝分化マーカーの遺伝子として、アルブミン、アミノ酸代謝酵素であるTAT:Tyrosineaminotransferase;TO:Tryptophan-2,3-dioxygenase、薬物代謝酵素ではCytochrome P450(CYP4A3)の発現を測定した。その結果、A13ペプチドで培養した肝細胞はこれら肝分化マーカーの遺伝子発現を維持することができたが、その他のペプチドでは遺伝子発現を維持することはできなかった。このことは、ラミニンα1鎖のN末端に肝細胞の接着と代謝機能を調節する部位が存在することを示唆した。
|
Research Products
(11 results)