2009 Fiscal Year Annual Research Report
超音波組織トラッキングによる左室心基部と心尖部での拡張開始時相差と拡張機能の検討
Project/Area Number |
20500420
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
村田 和也 Yamaguchi University, 医学部附属病院, 講師 (60314803)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 靖明 山口大学, 医学部附属病院, 医員 (50448297)
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Keywords | 超音波医学 / 心不全 / 医用システム / 生理学 / 解析学 |
Research Abstract |
対象と方法:インフォームドコンセントの得られた健常ボランティア15名、肥大型心筋症20名、拡張型心筋症患者20名でいずれも正常洞調律の患者を対象とし、経胸壁心エコー・ドプラ法を実施した。左室心基部と心尖部の左室短軸断層像および心尖部四腔像を超音波診断装置のハードディスク内に記録し、データをオフラインでパーソナルコンピュータに転送後、以下の指標について検討を行った。内径短縮方向のストレイン:各関心領域(ROI)の相対するROIとの距離の平均値を左室短軸収縮方向の距離変化として算出した。2)円周方向のストレイン:隣り合う2つのROIの距離変化の平均値を求めた。3)心尖部四腔像にて左室心内膜、左房心内膜をそれぞれ超音波組織トラッキング法で自動トレースし、Simpson法より左室、左房の容積を1フレームごとに算出し、左室・左房の時間-容積曲線を得、さらに、パルスドプラ法にて左室流出路血流速度波形、左室流入血流速度波形を記録し、上記により得られたストレイン曲線と重ね合わせることにより、大動脈弁閉鎖点(AVC)、僧帽弁開放点(MVO)を同定し、左室駆出終了点、左室等容拡張時間、左室流入開始の時相と心尖部、心基部での伸展開始点との関係および左房の受動的な収縮、能動的な収縮との関係を検討した。結果:健常者では心尖部の伸展速度と左房の能動的流入に相関がみられたが、拡張型心筋症では相関はなかった。拡張型心筋症では左室の伸展開始後も左房への流入が確認された。結論:健常人では、左室心尖部伸展が左房の能動的流入を決定する因子である一方、拡張型心筋症では左房の容積の増加(左房のpreload)により左房の能動的流入が決定されることが示唆された。
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Research Products
(13 results)