2009 Fiscal Year Annual Research Report
超音波を用いた脂肪組織への介入によるメタボリックシンドロームの治療に関する研究
Project/Area Number |
20500422
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
大森 浩二 Kagawa University, 医学部, 准教授 (00263913)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 雅和 香川大学, 医学部, 教授 (20153489)
吉田 潤史 香川大学, 医学部, 研究協力員 (50448370)
雪入 一志 香川大学, 医学部, 研究協力員 (30346647)
野間 貴久 香川大学, 医学部附属病院, 助教 (20363202)
村尾 孝児 香川大学, 医学部附属病院, 講師 (20291982)
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Keywords | 脂肪細胞 / 超音波 / ピタバスタチン / 肥満モデルマウス / インスリン抵抗性 / アディポネクチン |
Research Abstract |
当該年度には、超音波とピタバスタチンとの併用効果の検討へと発展させるべく、その薬量・評価項目を確立した。すなわち、正常分化・維持培養した3T3-L1細胞(分化開始後8日目)に対して、ピタバスタチン10-1,000ng/mLを培養液中に混入し、12および、16日目において評価したところ、1,000ng/mLは細胞障害的であったが、10~100ng/mLでは、用量依存的に、中性脂肪含量の増加および脂細胞サイズの増大が抑制され、それに対応して、アディポネクチンの減少がmRNA、タンパクレベルで抑制された。さらに、GLUT-4、ホルモン感受性リパーゼ、リポ蛋白リパーゼの発現も用量依存的に増加し、ピタバスタチンは100ng/mLまでは用量依存的に脂肪細胞における糖の取り込みを活性化させながら、中性脂肪の分解、放出も活性化させることにより、脂肪細胞の肥大を阻止しているという作用機序が強く示唆された。これらに基づき、最終年度に予定している培養細胞を用いた検討において超音波と併用すべき薬量は10-100ng/mLとし、上記を評価項目とするよう決定した。 一方、過食肥満モデルであるKKAyマウスに対しては、ピタバスタチン(6mg/kg/日)を6週間に亘り飲水投与したところ、血中アディポネクチンが増加し、インスリン負荷試験で評価したインスリン感受性が改善し、内臓脂肪組織の脂肪細胞のサイズが縮小していた。このように、22年度に予定している超音波によるピタバスタチンの効果の増強に関するin vivo実験の対照データも得られた。
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