2009 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ波CT用再構成アルゴリズムの高速化および精緻化に関する研究
Project/Area Number |
20500424
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
工藤 孝人 Oita University, 工学部, 准教授 (60225159)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
花田 英輔 島根大学, 医学部, 准教授 (90244095)
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Keywords | アルゴリズム / 電磁波工学 / 逆散乱問題 / 再構成 / 画像診断 |
Research Abstract |
本研究は,マイクロ波帯の電磁波を利用したCT(コンピュータ断層撮影装置)の早期実現に寄与するため,再構成アルゴリズムの高速化,精緻化,および適用範囲の拡大を目的としている.平成21年度には,主に以下のような成果を得た. 1. 再構成アルゴリズムにおけるノイズの影響に関する数値解析 CSI (Contrast Source Inversion)法と呼ばれる降下法に基づく再構成アルゴリズムに対し,複数の周波数の散乱データを用いた均質誘電体円柱の再構成を例に,ノイズの影響について数値的に解析した.その結果,本アルゴリズムはノイズに対する耐性が比較的高い手法であることを示した.ノイズの影響については更に調査を重ね,成果がまとまり次第,学会等において発表する予定である. 2. 物体モデルによるマイクロ波散乱データの取得 モルタル製の2次元物体モデルを3種類(均質,金属芯,空洞芯)作製し,低周波(波長が物体モデルの直径の数倍)から高周波(波長が物体モデルの直径と同程度)にわたる複数の周波数のマイクロ波をこれら物体モデルに照射した際の散乱データを実験により取得した.その結果,実験に使用したすべての周波数において,内部構造の違いが散乱波の振幅および位相の違いとして,特定の角度方向に強く抽出されることを明らかにした.この実験結果については更に分析を進め,成果がまとまり次第,学会等において発表する予定である. 3. ノイズ対策に関する調査および数値解析 精度の良い再構成結果を得るには散乱データ測定時のノイズ対策が不可欠であることから,電磁シールド対策に関する数値解析を行うとともに,医療機器の不良接地が引き起こす様々な問題について調査した.これらの成果については,電子情報通信学会および医療情報学連合大会において発表した.
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Research Products
(2 results)