2008 Fiscal Year Annual Research Report
医用画像診断のための三次元画像処理および可視化技術における基礎的研究
Project/Area Number |
20500425
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Research Institution | Iwate Prefectural University |
Principal Investigator |
土井 章男 Iwate Prefectural University, ソフトウェア情報学部, 教授 (60271839)
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Keywords | DT-MRI / 可視化 / セグメンテーション / FCM法 / リージョン・グローイング法 / ヒストグラム |
Research Abstract |
我々が開発した「くも膜下出血」の危険度判定アルゴリズムの精度を高めるために、 1)患者のMR画像から、大脳領域(白質、灰白質)、しわの領域、血管領域の正確な抽出 2)しわの領域から、くも膜下出血の危険度算出手法の改良 を行った。 1)に関しては、下記の研究を行った。 a)FCM (Fuzzy C-Means)法による自動領域分割法の改良と評価 b)脳血管の抽出手法の調査 FCM法は、従来使用していたk-means法に比べると、灰白質や白質の分離が正確であり、処理速度の点でも高速化が可能となった。 2)に関しては、下記の研究・開発を行った。 a)領域限定型リージョン・グローイング(Region Growing)法 b)画素の統計情報を用いたヒストグラムベースの手法 領域限定型リージョン・グローイング法およびヒストグラムベースの手法は、我々が開発している3次元画像可視化システムであるVolume Extractor Ver.3.0上に実装した。 領域限定型のリージョン・グローイング法は、領域の輝度値の差に大きく影響を受け、使用時のパラメータ設定が難しく最適なパラメータ設定に時間を要した。また、ヒストグラムベース法は、実践的な方法であることが確認されたが、CT画像に比べると、十分な領域分離が困難であり、いくつかの問題点も明確になった。 大脳、小脳、延髄、血管、脳神経、腫瘍、出血箇所などの効果的な3次元表示/造形手法では、以下の内容を開発し、その評価を行った。 1)3Dプリンタを用いた実体モデルの作成とボリュームレンダリング表示との比較 2)大脳、血管、脳神経などを「重要度」に応じて重層表示する方式 3)神経線維の抽出手法の改良 より効率的な表示方法のひとつとして、MR画像に疑似カラー(例えば、大脳は灰色、灰白質は薄茶、白質は白、血管は赤など)を与える方式を検討中である。
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