2009 Fiscal Year Annual Research Report
僧帽弁複合体のねじれ運動から見た虚血性僧帽弁逆流発症メカニズムの解明
Project/Area Number |
20500427
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
大門 雅夫 Juntendo University, 医学部, 准教授 (80343094)
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Keywords | 僧帽弁複合体 / 僧帽弁逆流 / 画像診断 / 3次元心エコー法 / 組織ドプラ法 / 心エコー図 |
Research Abstract |
[症例の登録]現在まで、正常例14例、虚血性心筋症32例、拡張型心筋症30例の症例登録を行った。[画像の解析]現在まで正常例14例、機能的僧帽弁逆流(MR)17例について、3次元心エコー法と組織ドプラ法(TDI)による解析を終了し、以下の項目について検討した。(1) 僧帽弁輪部レベルと乳頭筋レベルの二つの左室短軸像において、TDI法を用いて心内膜面の捻れ角度を定量的に解析(僧帽弁複合体のねじれ運動の指標)、(2) 3次元心エコー法を用いて収縮末期および拡張末期の僧帽弁輪部と乳頭筋の捻れ位置関係、(3) MR重症度、左室容量や駆出率、tethering distanceなど。[これまでの結果]TDI法による検討で、正常例では僧帽弁複合体は弁輪レベルと乳頭筋レベルにおいて心周期に7.2±2.3度の捻れを生じているのに対して、機能的MR例では、1.5±2.9度と有意に僧帽弁複合体の捻れは減少していた(p<0.05)。しかし、その捻れ角度と左室駆出率やMRの重症度には有意な相関はなかった。特に機能的MR例において僧帽弁の捻れのピークの時相は一定でなく、収縮中期や拡張期に認めるものがあった。3次元心エコーでの検討では、正常例において拡張末期から収縮末期にかけて、僧帽弁複合体捻れ角は7.3±4.4°変化していたが、機能的MR群では、ばらつきが大きく平均値は有意に低かった(0.5±10.9°、p<0.05)。また、機能的MR群においては、拡張末期の捻れ角度とMRの重症度EROに負の相関関係を認めた(r=-0.52,p<0.05)。[今後の予定]これまでの検これまでの結果より、左室の捻れに伴い僧帽弁複合体も捻れ運動をしていることが明らかとなった。また、捻れの程度よりも拡張末期の乳頭筋と弁輪部の捻れ位置関係が逆流の重症度と関連していることが明らかとなった。今後は症例数を増やして更に詳細な検討をする予定である。
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Research Products
(5 results)