2010 Fiscal Year Annual Research Report
低エネルギー超音波を利用した新しい非侵襲的癌治療システムの確立
Project/Area Number |
20500432
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
立花 克郎 福岡大学, 医学部, 教授 (40271605)
遠藤 日富美 福岡大学, 医学部, 講師 (00435108)
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Keywords | Ultrasound / Sonotransfection / Cancer Therapy / Sonoporation / Bioeffects |
Research Abstract |
実験目的 3つのプロジェクト下での研究を行っている。これらの研究には1.がん細胞、メラノーマ、正常メラノサイトの成長に対するvery low-intensity超音波の影響、2.メラノーマ細胞内へのインターフェロンβやインターフェロンγ遺伝子のsonotransfection効果、が含まれる。3.ソノポレーション法における細胞膜への影響の検討。 研究実績 1.メラノーマ細胞における反復的な超音波照射により、細胞の成長と増殖に影響が認められ、Gene-chip解析、Cell cycle assayでもこれを裏付けるデータが得られた。2.ソノポレーション法によりインターフェロンγを誘導して細胞増殖の抑制に成功した。約10%の遺伝子導入率であったが、細胞増殖を抑制するに十分な蛋白量が得られたと思われる。 3.ソノポレーション法における細胞膜への損傷はその後の薬物の細胞内への流入に影響することを定量的な実験方法で証明できた。動物実験でも同様の実験結果が得られた。抗生剤やメルファランなどの薬物効果と低浸透圧での細胞膨張の関係で生理学的な細胞のデータが得られ、メカニズムの解明に寄与した。一方、超音波による転移の増強は今回の実験では観察することはなかった。今後さらに詳しく超音波と細胞膜の関係を解析する必要がある。
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