2009 Fiscal Year Annual Research Report
リハビリテーション運動療法と酸化ストレス抑制療法の併用の有効性の機序解明
Project/Area Number |
20500437
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
伊藤 修 Tohoku University, 大学院・医学系研究科, 准教授 (00361072)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金澤 雅之 東北大学, 大学院・医学系研究科, 非常勤講師 (60282050)
上月 正博 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (70234698)
|
Keywords | リハビリテーション / 酸化ストレス / 循環器・高血圧 / 脂質 / 動物 |
Research Abstract |
長期的運動(EX)の腎内酸化ストレスとNO産生系への効果を検討した。高血圧自然発症ラット(SHR)とWistar-Kyotoラット(WKY)を対照群とEX群に分け、EX群にはトレッドミル運動を8週間実施した。血漿と尿中のH_2O_2、NO_2+NO_3(NO_x)、腎NADPH oxidase活性を測定し、腎皮質と髄質における内皮型と神経型NOS(eNOS,nNOS)の蛋白発現をイムノブロット法で検討した。EXにより、血圧はSHRでは低下したが、WKYでは影響されなかった。腎NADPH oxidase活性はSHRで低下したが、WKYでは増加した。血漿と尿中のH_2O_2とNOx、腎皮質と髄質におけるeNOSとnNOS発現は両系ラットで増加した。以上から、SHRとWKYにおいて、EXは腎NOS発現とNO産生を増強させ、このEXによる腎NOS発現の増強効果にはH_2O_2が関与していることが明らかになった。 肥満モデルであるZucker fattyラットの肝脂肪化への長期的運動の効果を検討した。雄Zucker fattyラットを対照群と運動群に分け、運動群にはトレッドミル運動を10週間実施した。対照群に比べて、運動群では摂食量は有意な差がなかったが、体重、血漿脂質・グルコース、肝トリグリセライド含有量は有意に低下し、肝組織の脂肪染色も減弱していた。運動群の肝臓では脂肪酸合成系酵素であるfatty acid synthase(FAS)とacetyl CoA carboxylase(ACC)発現が低下していたが、脂肪酸酸化系酵素の発現には有意な変化は認められなかった。以上から、長期的運動は肝脂肪化を抑制し、その機序として、長期的運動が脂肪酸酸化系酵素の発現を低下させることなく、脂肪酸合成系酵素の発現のみを低下させることが関与していることが明らかになった。
|