2008 Fiscal Year Annual Research Report
新規嚥下障害治療法の開発:大脳嚥下中枢と脳幹CPGを介したアプローチ
Project/Area Number |
20500440
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
山脇 正永 Tokyo Medical and Dental University, 医学部附属病院, 准教授 (30302855)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 勝重 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (80291342)
檀 一平太 農業食品産業技術総合研究機構, 食品総合研究所, 研究員 (20399380)
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Keywords | 嚥下運動 / 脳機能マッピング / 光トポグラフィ / 嚥下障害 / リハビリテーション / 補足運動野 |
Research Abstract |
1) 嚥下運動の中枢メカニズムの分析 嚥下運動において、延髄嚥下中枢のみならず大脳の1次運動野、運動前野、補足運動野、1次・2次感覚野も関与することが明らかになった。また、これらの大脳中枢は延髄と密接な連関を示し、このメカニズムが随意嚥下と不随意嚥下に関与する、可能性が示唆された。 この大脳-延髄連関を、通常の嚥下と同じ姿勢で明らかにした研究は国内外を通じて初めてであり、本結果は嚥下障害の全く新たな治療方法、リハビリテーション方法のターゲットとなりうると考えた。 2) 口腔内刺激による嚥下運動促通 嚥下障害のリハビリテーションに臨床的に頻用されているthermal-tactile application (TTA)について、本手技により大脳嚥下中枢が活性化することを明らかにした。また、Ther mal刺激はtactile刺激よりも大脳への影響が大きいこと、TTAによって補足運動野の活性化が見られること、も明らかにした。 本結果は口腔内刺激が嚥下運動の誘発に重要であることが再確認されたと同時に、嚥下し易さについての指標にもなりうると考えた。また、口腔内の刺激方法についてはvaniloid receptorなどの侵害受容体による刺激が有効である可能性も示唆された。さらに本研究は、臨床的に頻用されているTTA手技の科学的背景を初めて解明したものであり、本手技の開発者であるJ Logemann教授からも'興味深い結果である'とのコメントをいただいた。
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