2010 Fiscal Year Annual Research Report
新規嚥下障害治療法の開発:大脳嚥下中枢と脳幹CPGを介したアプローチ
Project/Area Number |
20500440
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
山脇 正永 京都府立医科大学, 医学研究科, 教授 (30302855)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
檀 一平太 自治医科大学, 医学部, 准教授 (20399380)
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Keywords | 嚥下運動 / central pattern generator / 脳機能 / 嚥下障害 / 脳機能マッピング / リハビリテーション / 光トポグラフィ / 抑制シグナル |
Research Abstract |
昨年度に引き続き嚥下運動時の大脳からCPGへの促進性/抑制性シグナルを解析した。 より臨床的な側面から実際に治療で用いられる、食形態((液体、ゼリー、など)・口腔内への感覚入力(アイスマッサージ、痛覚受容体を介した刺激)の条件で測定した、正常対象20例、嚥下障害患者5例の検討の結果では、テント上からCPGへの抑制シグナルの存在が疑われた。特に、従来言われていた温度刺激のみならず触覚刺激も嚥下運動に密接に関与することが示唆された。また、得られたデータから、嚥下困難に関する脳内表象パターンを抽出し、NIRSによる易嚥下性の評価尺度への応用が可能と考えられた。 さらに臨床応用への準備として、大脳磁気刺激による嚥下治療法開発の準備を行うと共に、口腔内科(歯科)・咀嚼学、ロボット工学、食品科学、リスク工学の研究者と連携体制が整い、適宜各研究者との共同研究を進めることができた。特に食品科学(texture,食形態など)、咀嚼学(歯科)については実地応用への取り組みが始まった。また、リハビリテーションを念頭に置いたロボティクス分野では、リスク工学(プロセス管理工学)の協力により工学分野も含めた集学的なアプローチの基盤ができた。 本研究の結果から嚥下障害治療においてCPGよりも下位レベルのみのアプローチでは不十分であると考察した。本研究の結果は、国内外に先駆けて、大脳中枢とCPGに対する薬理学的・生理学的アプローチによって嚥下運動の再現をはかる全く新しい治療法の開発に資すると考えた。
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