2009 Fiscal Year Annual Research Report
慢性呼吸器疾患患者の免疫機能改善を目的とした運動療法プログラムの確立
Project/Area Number |
20500448
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
関川 清一 Hiroshima University, 大学院・保健学研究科, 准教授 (30363055)
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Keywords | リハビリテーション / 運動 / 免疫 |
Research Abstract |
呼気凝集液(EBC : Exhaled Breath Condensate)による唾液分泌型免疫グロブリン(SIgA : salivary secretory immunoglobulin A)が,測定検出限界以下であったことを追加検証した.SIgA濃度が1μg/mLとなるように調整済EBCを作成し,SIgAの添加回収実験を酵素標識免疫測定(ELISA : Enzyme-Linked ImmunoSorbent Assay)法を用いて検討した.その結果,SIgAの回収率は105%~116%であり,全ての検体で理論値よりも実測値が高濃度であったことから,ELISA法における測定阻害は存在せず,EBC中のSIgA濃度は測定限界以下の極めて低値であると証明された. 以上の研究により,EBC中SIgA産生量は微量で,試料分析が困難であると確証され,下気道の免疫機能を検討するためには,他の免疫関連物質の解析が必要であることが明らかとなった. さらに本年度は,EBC中のSIgA以外の免疫機能と関連する物質として,過酸化水素濃度および抗酸化力の運動負荷による動態解析を試みた.健常成人を対象に,無酸素姓運動負荷を実施し,EBCおよび血漿中変化を検討した.その結果,EBC中の過酸化水素濃度と抗酸化力は運動負荷前後に有意な変化を認めなかった.その一方で,血漿中のヒドロペルオキシド濃度と抗酸化力は運動負荷直後および15分後に有意に増加した.このことから,単回高強度運動負荷は気道中の過酸化水素生成および抗酸化反応に影響しないこと,気道中生体反応は,血液中と異なることが明らかとなった.
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Research Products
(3 results)