2009 Fiscal Year Annual Research Report
脳卒中片麻痺上肢の促通療法のための電磁石を用いた伸張反射誘発力覚提示装置の開発
Project/Area Number |
20500450
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
林 良太 Kagoshima University, 理工学研究科(工学系), 准教授 (40288949)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川平 和美 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (20117493)
余 永 鹿児島大学, 理工学研究科(工学系), 准教授 (20284903)
下堂薗 恵 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 准教授 (30325782)
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Keywords | リハビリテーション / 支援システム / 促通療法 / 脳卒中片麻痺 / 伸張反射 / 電磁石 / 力覚掲示 / ビジュアルサーボ |
Research Abstract |
本研究では、新しい力覚提示方法である電磁石を使った力覚提示により、徑縮した筋肉に安全に伸張反射を誘発させることで脳卒中片麻痺上肢の運動訓練を容易にするシステムの開発をおこなっている。 本年度に実施した研究の成果は以下のとおりである。 1. 機能的振動刺激装置の開発 上肢運動機能回復訓練装置に、機能的振動刺激装置を組み入れた。小型振動モータを用いて、訓練の状況に応じて振動刺激を上肢の筋肉に与え、随意的な運動を効果的に促すことを実現した。振動モータには、円盤型のものとこれよりは強力な円筒型の2種類のものを適用した。円盤型の振動モータは、その半径方向が上肢の表面に垂直に向くように装着方法を工夫した。これにより、皮下の筋肉へ局所的に振動を伝えることが可能になった。一方、円筒型の振動モータは円盤型のものより強力であり、広範囲ではあるが明確に振動を患者に知覚させることが可能になった。そして、電気・電子回路を構成して、コンピュータ制御による機能的振動刺激を筋肉に与えるシステムを構築した。 2. 2次元力覚提示システムの開発 手部に小型電池で光るLEDを取り付け、CCDカメラで撮ったLEDの映像からリアルタイムで手部の2次元位置を計測するシステムを開発した。そして、手部をテーブルの上の2次元平面上で運動させる際、テーブルの下から3個の電磁石を用いて手部に2次元方向の力覚を提示するシステムを開発した。電磁石は、計測した手部の2次元位置をもとにビジュアルサーボ系を構成して位置制御を行い、電気的に電磁石の出力を制御することにより、任意の2次元方向への力覚提示を可能にした。本年度は、電磁石の位置制御に単純なPID制御を施しただけであったので、手のすばやい運動に対する追従性が不十分であった。より高性能な追従制御を実現することが今後の課題である。
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Research Products
(2 results)