2008 Fiscal Year Annual Research Report
小児の巧緻性障害に対する治療法の開発ー臨床生理学と磁気共鳴画像法用いた定量評価ー
Project/Area Number |
20500455
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Research Institution | Ibaraki Prefectural University of Health Science |
Principal Investigator |
岩崎 信明 Ibaraki Prefectural University of Health Science, 付属病院, 准教授 (70251006)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坪井 章雄 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 准教授 (80448646)
大戸 達之 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (60344892)
沼野 智一 首都東京大学, 人間健康科学研究科, 助教 (10399511)
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Keywords | 巧緻性障害 / 精密把握 / 臨床神経生理学 / 発達性協調運動障害 / 機能的MRI / 片麻痺 |
Research Abstract |
上肢の巧緻性動作障害はアメリカ精神医学会のDSM-IVでは「発達性協調運動障害」に分類さているが定義は極めて主観的なものである。また、小児では発達障害に属する自閉性障害、注意欠陥・多動性障害、学習障害においても上肢機能の問題点は多く指摘されているが、十分な臨床生理学的解析はなされていない。以上から、本研究では把握動作の中で、特にヒトにおいて特有とされる母指と他の指とを対立させておこなう「精密把握」に着目し、客観的、定量的解析のために精密把握機能の分析機器を導入する。機器には加速度、握り力、引き上げ力測定機能を組込むみ、小児の巧緻性障害の病態生理の解明をおこなった。 Johansson&Westlingが報告した機器(Exp Brain Res1988)を参考に精密把握機能の分析機器を作成した。機器の上部には平行に設置した指の接触面(30x30mm、厚さ20mm)を有している。機器の重量を簡便に変更できるように、機器の下部に取り外し可能な錘を挿入する部位を有し、錘は機器重量300gと900gが用意された。把握力と機器を引き上げる力を計測するために、機器にはひずみゲージを組込まれた。ひずみ測定用のセンサーインターフェースに接続され、データはAD変換ボードを介して、パーソナルコンピュータに400Hzでサンプリングされた。被検者は平行な接触面を親指と他の指で精密把握して摘み、機器持ち上げ、空中で機器を4〜6秒間保持した。健常ボランティアにより機器の精度が検討された。さらに、巧緻性動作障害を主訴にした小児における予備実験において、対照では複数回の施行において力の増加パターンは類似していたが、力の増加は回数毎に一定せず、増加速度(微分値のForce rate)が単峰性ではなく、多峰性を呈することがみられた。このことから、今回作成したデバイスは小児の巧緻性動作障害の分析に有用なツールになることが示唆された。
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