2008 Fiscal Year Annual Research Report
手根管症候群の病態に関する基礎的研究と装具療法への応用
Project/Area Number |
20500456
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
辻 亜紀子 Wakayama Medical University, 医学部, 助教 (10433351)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田島 文博 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (00227076)
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Keywords | リハビリテーシション医学 / 解剖学 / 装具療法 |
Research Abstract |
健常者4名8手での、手関節角度が、手指の動きに伴う手根管内での正中神経の側方移動に及ぼす影響を検討した。 まず手関節掌屈・中間位・背屈時の示指・中指それぞれ屈曲時の(1)正中神経の側方移動距離(2)正中神経の横径に対する比率(=(1)÷正中神経の横径×100)について統計学的検討を行ったが特に有意差はみられなかった。これは先行研究と同様の結果であった。また有意差はみられないものの、手関節掌屈では示指に比較し中指屈曲時の(1)(2)が小さくなり、手関節背屈では中指に比較し示指屈曲時の(1)(2)が小さくなる傾向がみられた。 以上の結果より、手関節掌屈位とすることで中指の動きに伴う手根管内での正中神経の側方移動に及ぼす影響を減少させる可能性が示唆されたが有意差をみとめるほどの影響は指摘できなかった。また中指と示指の動きに伴う手根管内での正中神経の側方移動に及ぼす影響はほぼ同程度であった。 手指の固定については示指の解剖学的特性から示指固定のみとしたほうが固定による手指機能への影響が最小限となり装具受容が良くなる考えられるものの、示指固定のみでは中指の動きによる影響は無視できないものと考えられた。つまり、手関節に加えて示指・中指ともに固定したほうが装具の有効性は高くなると考えられた。
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