2010 Fiscal Year Annual Research Report
多疾患有病者の早期社会復帰を促すために必要な心臓リハビリテーションの介入法の確立
Project/Area Number |
20500463
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
増田 卓 北里大学, 医療衛生学部, 教授 (30165716)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野田 千春 北里大学, 医学部, 助教 (80365080)
小倉 彩 北里大学, 医療衛生学部, 助教 (10337991)
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Keywords | 心臓 / リハビリテーション / 自律神経活動 / 多疾患有病者 / 運動療法 |
Research Abstract |
目的:6分間歩行距離(6MD)は、心疾患患者の生命予後やQOLを反映する指標であり、6MD 300m以下では極めて予後不良とされている。本研究は、6MDが300m以上を達成する上で必要な運動機能の水準を明らかにすることを目的とした。さらに、回復期心臓リハビリテーション(心リハ)は、慢性心不全患者の再入院の予防に有効か否かを検討した。 方法:入院期心臓リハビリテーションを行った慢性心不全173例、心筋梗塞155例、開心術後110例の計438例(男性339例、65.2±11.9歳)を対象に、退院時に心機能、身体機能を評価した。6MDに影響する因子を重回帰分析を用いて解析し、ROC曲線にて運動機能のカットオフ値を求めた。また、入院期心リハを受けた慢性心不全患者312例(男215例、女97例、70.7±10.3歳)を対象とし、退院後、回復期心リハに参加した患者を心リハ継続群(男100例、女42例、65.5±ll.1歳)、回復期心リハに参加しなかった患者を心リハ非継続群(男115例、女55例、72.4±9.1歳)とした。エンドポイントは心不全増悪による再入院で、生存分析にて心リハ継続が再入院率に及ぼす影響を解析した。 結果:下肢筋力、バランス機能、自動足関節背屈可動域が有意な6MDの規定因子として抽出された。さらに、6MD 300mの達成には、下肢筋力40%BW、ファンクショナルリーチ(FR)30cm、片脚立位時間(OLS)10秒がカットオフ値として示された。1年半後の再入院率は、心リハ非継続群と比べ心リハ継続群で有意に低く、患者背景因子による調整の後、心リハ継続の有無は再入院率に影響する因子であった。 結語:6MD 300mを達成するには、下肢筋力40%BW以上、OLS 10秒以上、FR30cm以上が必要であると考えられた。さらに、回復期心リハの継続は、慢性心不全患者の再入院率を低下した。
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Research Products
(5 results)