2008 Fiscal Year Annual Research Report
経頭蓋直流電気刺激の脳卒中片麻痺上肢リハビリテーションへの応用
Project/Area Number |
20500465
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
藤原 俊之 Keio University, 医学部, 講師 (50276375)
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Keywords | 事象関連脱同期化 / 運動野 / 可塑性 / リハビリテーション / 脳卒中 / 非侵襲的脳刺激 |
Research Abstract |
経頭蓋直流電気刺激(Transcranial direct current stimulation; tDCS)による非侵襲的脳刺激とリハビリテーションの組み合わせによる新たな脳卒中片麻痺上肢に対するリハビリテーション(以下リハ)アプローチの開発を目的とし、本年度は実験(1)健常成人におけるtDCS前後における運動野脳活動の変化の検討(2)脳卒中後重度片麻痺患者(1例)におけるtDCSと上肢訓練との併用効果の検討を行った。tDCS前後における運動野における神経活動は、手指運動イメージ時のを事象関連脱同期化(ERD)として記録した。(1)の結果では、陽極刺激では運動野神経活動の亢進を認め、ERDの増強を認めたが、陰極刺激ではERDの減弱を認め、何も刺激を行わないsham刺激では明らかな変化を認めなかった。本研究によりtDCSは運動イメージにおける運動野神経活動を修飾することが可能であることが示された。この結果を応用することにより、重度麻痺により麻痺手の随意運動が不能な脳卒中患者においてもtDCSと運動企図により運動野神経活動の可塑的変化を来たすことが可能であると考えられ、実験(2)を行った。1週間の損傷半球運動野への陽極tDCS刺激と上肢訓練により、運動企図時の損傷半球におけるERDの増強を認め、重度麻痺患者においても、tDCSにより、損傷半球運動野神経活動に可塑的変化が生ずることが示された。
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Research Products
(7 results)