2010 Fiscal Year Annual Research Report
経頭蓋直流電気刺激の脳卒中片麻痺上肢リハビリテーションへの応用
Project/Area Number |
20500465
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
藤原 俊之 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (50276375)
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Keywords | リハビリテーション / 脳・神経 / 臨床 / 神経科学 |
Research Abstract |
経頭蓋直流電気刺激(Transcranial direct current stimulation;tDCS)による非侵襲的脳刺激とリハビリテーションの組み合わせによる新たな脳卒中片麻痺上肢に対するリハビリテーション(以下リハ)アプローチの開発を目的とし、健常人におけるtDCS前後における手指運動想起時における脳波を測定し、事象関連脱同期化event related desynchronization(ERD)の変化を検討した。anodal tDCS後には、運動想起時の運動野におけるERDの増強を認めることを確認した。この結果はJournal of Neuroengineering and Rehabilitation(2010)に発表。この結果を踏まえ、脳卒中患者においても同様にtDCSの前後において、麻痺側上肢の運動想起時のERDの即時的変化を測定した。脳卒中患者においても、損傷半球運動野に対するanodal tDCSにより、運動想起時の運動野におけるERDの増強を認め、運動野の活動の増強が可能であった。さらに、5日間の損傷半球運動野へのanodal tDCSを慢性期脳卒中患者へ施行した。5日間の介入の結果、損傷半球における運動想起時のERDは増加を認め、麻痺側上肢機能の改善を認めた。麻痺側上肢機能の改善は介入後3カ月後においても維持されていた。さらに重度片麻痺患者における上肢リハへの応用としてBrain-Machine Interfaceを用いた上肢訓練とtDCSの併用プログラム(10日間)を施行し、その上肢機能ならびに脳活動の変化を検討した。tDCSとBMIの組合せにより、重度片麻痺患者においても上肢機能の改善を認め、その改善は介入後3カ月後まで維持されていた。通常のリハでは上肢機能の改善が困難な慢性期重度片麻痺患者でも、本法により機能改善の可能性が見込まれ、新たな脳卒中リハの手法としての有用性が見込まれた。
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Research Products
(18 results)