2010 Fiscal Year Annual Research Report
リンパ浮腫に対する治療効果と生理学的機序に関する研究
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20500466
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| Research Institution | Keio University |
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Principal Investigator |
辻 哲也 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (90245639)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
里宇 明元 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (60146701)
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| Keywords | 悪性腫瘍 / リンパ浮腫 / 婦人科癌 / 子宮癌 / リンパ節郭清 / 複合的理学療法 / リンパドレナージ / リンパ管静脈吻合術 |
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| Research Abstract |
【目的】リンパ浮腫の治療法として、保存的治療と手術治療の効果を比較検討すること。
【方法】対象は子宮癌・子宮頚癌・卵巣癌術後(骨盤内リンパ節郭清施行)に続発性リンパ浮腫(国際リンパ学会臨床分類グレードII以上)を下肢に発症し、複合的治療もしくはリンパ管静脈吻合術を施行された患者とした。複合的治療は外来にて日常生活指導、スキンケア、圧迫療法、圧迫下での運動、リンパドレナージを実施するものとし、圧迫療法として多層包帯法を終日実施した群(包帯群)と多層包帯法と圧迫衣類を併用した群(併用群)に分類した。また、リンパ管静脈吻合術(手術群)は手術前日に入院大腿・下腿の3～5箇所で実施され、術後は多層包帯法を施行、術後は多層包帯法による圧迫を継続した。治療効果は後方視的に膝蓋骨上縁から20cm近位(AK20)・10cm近位(AK10)、膝蓋骨下縁から10cm遠位(BK10)・20cm遠位(BK20)、足関節(Ankle)の周径(cm)で評価した。
【結果】包帯群13例、併用群15例、手術群17例であった。各々、平均年齢は61.1±11.4才、57.6±13.7才、64.0±14.8才、術後～浮腫発症までの期間は中央値66か月(1～396)、12か月(1～168)、85か月(2～475)であった。3群とも、治療前と比べて治療開始1か月後の下肢周径は減少傾向であり部位により有意な改善を認めた。3群間の比較ではAK20、AK10ではBK20、Ankleでは手術群よりも包帯群の方が、BK20、ANKLEでは併用群よりも手術群の方が有意な減少を認めた(2元配置分散分析、FisherのPLSD)。
【考察】複合的治療、リンパ管静脈吻合術のいずれの治療方法ともに、リンパ浮腫の改善効果が得られることがわかった。手術治療は入院が必要であるが、下腿については保存的治療と同等以上の改善効果が得られるため適応を選べば、保存的治療と並んで治療の選択肢として位置づけられることが示唆された。
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