2010 Fiscal Year Annual Research Report
高齢期の長期臥床に伴う筋萎縮とリハビリテーションによる軽減効果の機序解明
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20500470
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
山内 秀樹 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (60220224)
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Keywords | 高齢期 / 腓腹筋 / 赤色部 / 白色部 / 間欠的再荷重 / 筋萎縮 / 筋変性 / タンパク質発現 |
Research Abstract |
【目的】高齢期の筋量保持に関する研究の一環として,高齢ラット骨格筋の非荷重に伴う萎縮と変性の特徴ならびにそれに対する間欠的再荷重の介入効果について検討した. 【方法】5, 24ヶ月齢のF344系雌ラットを対照群,尾部懸垂群,尾部懸垂+間欠的再荷重群の3群に分けた.尾部懸垂は3週間とした.再荷重は1回10分間の運動で4時間毎に1日3回実施した.外側腓腹筋を被検筋とし,赤色部と白色部における筋線維の萎縮と変性ならびにタンパク質発現様相を観察した. 【結果】非荷重による筋重量の低下率は若齢に比べて高齢期で顕著であった.一方,非荷重による筋線維サイズの低下率は白色部では加齢差がみられなかったが,赤色部では予想外に高齢に比べて若齢期で顕著であった.非荷重に伴う筋線維の変性は白色部に比べて赤色部において,また,いずれの部位においても若齢期に比べて高齢期で顕著であった.非荷重期間の間欠的再荷重は非荷重による筋重量や筋線維サイズの低下を軽減したが,その効果に加齢差はみられなかった.また,再荷重の介入は若齢,高齢期ともに筋線維の変性をほとんど抑制した.Akt活性(総Aktに対するリン酸化Aktの比率),ミオスタチン,HSP25,PGC1のタンパク質発現変化を調べたところ,筋線維の萎縮や変性に対する部位差,加齢差,再荷重の介入効果に部分的に関与している所見が認められた. 【結論】高齢期では非荷重による変性が顕著であること,また,1日30分間の再荷重の介入は筋線維の変性を抑制し,萎縮を軽減することが示唆された.
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Research Products
(3 results)