2010 Fiscal Year Annual Research Report
口腔腫瘍術後患者におけるバイオフィードバック法を用いた構音訓練システムの構築
Project/Area Number |
20500471
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
西脇 恵子 日本歯科大学, 生命歯学部, 医療職員 (20398879)
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Keywords | 構音障害 / 言語治療 / 口腔腫瘍 / EPG |
Research Abstract |
本研究は、口腔腫瘍術後患者に対してEPGを用いた構音訓練を行い、視覚的なバイオフィードバックを用いることが訓練効果に有益であることを明らかにすることを目的とした。 対象は、日本歯科大学附属病院においてリハビリテーションを受けた口腔腫瘍術後患者とした方法は患者それぞれの目標音を設定し、構音訓練を行う。その際、まず従来の方法を用いた訓練を行い、次にEPGを用いた訓練を行うというABABデザインで行った。EPGに使用する電気口蓋は、基礎口蓋床に患者の術後の舌の運動機能や形態に応じた厚さを足し、これに電気信号を拾うチップを並べてNon Speech訓練用の電気口蓋床を作成した。次に基礎口蓋床に電気チップを並べたものを作成し構音訓練用の口蓋床とした. 評価は、Non Speech課題では、舌口蓋の接触率、構音訓練課題においては発話明瞭度、会話明瞭度の測定、音響学的分析による評価(母音の第1フォルマント、第2フォルマントおよび破裂子音のVoice Onset Time)、舌の運動機能の評価、患者自身の官能評価とした。それぞれの評価項目について改善度の分析を行ったところ、Non Speech課題においても、構音課題においても従来の方法に比べて、バイオフィードバック法による訓練課題後の成績が有意に良好だった。また、官能評価においても有意に高く、感覚のフィードバックが運動の実現には必要であることがうかがわれた。
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