2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20500473
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Research Institution | Kio University |
Principal Investigator |
今北 英高 Kio University, 健康科学部, 教授 (00412148)
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Keywords | 頸髄損傷 / 呼吸機能応答 / 横隔膜 / 筋電図 |
Research Abstract |
頸髄損傷患者における呼吸機能の状態は生活レベルに影響を与えるだけでなく、生命の存続にも多大な影響を及ぼす。今回、Wistar系ラットを用いて頸髄損傷モデルを作成し、髄節レベルにおける呼吸機能への影響を詳細に分析することを目的としている。このことは頸髄損傷患者における損傷部位と呼吸機能の関係を把握するにあたって、大変意義のある基礎的知見を提供するものと考える。本年度は研究計画に従って,デモンストレーション実験の実施、頸髄損傷モデルの作製、分析項目である両側横隔膜筋活動の記録および分析、呼吸流量の測定、免疫組織化学実験手技の確立に関して以下のとおり実施した。 平成21年度は頸髄損傷モデルの作成とそのモデルでの呼吸機能の変化や横隔膜筋活動等を測定した。動物用CTを使用し、損傷部位を正確に把握するとともにその部位での各パラメータの変化を分析した。頸髄損傷モデルはC2髄節レベルからC7髄節レベルを作成した。C2髄節レベルでは正常時1回換気重の約95%まで低下し、C3髄節レベルでは約75%、C4髄節レベルでは約70%まで低下することが明らかとなった。また、C3髄節レベル以上では横隔膜筋電図も消失し、換気維持のために呼吸数を150-220%まで上昇させ、分時換気量を維持しようとする生体反応が見られたが、1回換気量の低下が著しく、分時換気量においても正常時と比較し、約90%まで低下した。C5髄節レベル以下では、1回換気量が約10-20%低下したが、横隔膜筋活動においては逆に10-20%上昇した。これは頸髄損傷による肋間筋や腹筋群など呼吸補助筋の筋活動の消失による代償的な横隔膜筋活動の上昇が生じたためと思われた。
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Research Products
(4 results)