Research Abstract |
介護者の負担を軽減させうため,被介護者が電動車椅子の上で生活の大半を過ごすことができ, 特に失禁者である場合には, 電動車椅子に座ったまま排泄ができるシステムを提案した. 以前から, オムニホイールの車輪機構を有するトイレ移動旦ポットを開発してきたが, この白ポットには二つの問題点があった. 一つは, 機構的に洋式便座の真上まで排泄物タンクが持ち上がらなかった. もう一つは, ラックギアとスライドレールによる持ち上げ機構が洋式便器をまたぐことができる横幅を有していなかった. 本年度は, 移動トイレロボットを改良し, 洋式便器の上まで脚が伸びる機構を取り付け, 排泄物タンクを持ち上げると同時に脚部分力瀬方向へ広がり, 居宅のトイレの上から排泄物を捨てることができるようにした. 一般的な洋式便器め寸法は, 幅, 高さともに四十センチメートル程度であるが, 移動トイレロボットは, 車椅子の座席の下に収まるときには小さく, 逆に,排泄物を捨てるときには洋式便器より高く, 横幅も必要となる. 脚が高く伸びると同時に拡幅する機構として, 一般的に二自由度の動き(二つのモータ)が必要になるが, 本年度は,脚の機構を工夫することによつて, 一脚につき, 一つのモータで脚の横方向と縦方向の伸縮を可能にした. 今後, 移動トイレロボットが車椅子の下に完全に収まるように, さらなる小型化設計をおこない, 自律的に居宅のトイレまで移動させる実験をおこなう. また, 移動トイレロボットを自動清掃させるために, 移動トイレロボットに二つのアームを取り付ける。一つのアームによりトイレの永タンクから給水し, もう一つのアームで排泄物タンクの中を清掃する. 本システムは,リクライニング機構の改良によって簡易ベッドにもなり, その上に簡易入浴槽を設置可能であるが, これらのシステムをより実用性の高いものにする.
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