2008 Fiscal Year Annual Research Report
電力供給を伴わない福祉機器用水素吸蔵合金アクチュエータの研究開発
Project/Area Number |
20500489
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
佐藤 満 Showa University, 保健医療学部, 准教授 (10300047)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井野 秀一 独立行政法人産業技術総合研究所, 人間福祉医工学研究部門, 主任研究員 (70250511)
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Keywords | 福祉用具・支援機器 / 健康・福祉工学 / アクチュエータ / 水素吸蔵材料 / 省エネルギー技術 |
Research Abstract |
水素吸蔵合金、(MH)アクチュエータは小さな装置で大きな出力が得られ、無騒音・無振動、動作に柔らかなクッション性を兼ね備えるという特徴をもつ動力源で、福祉機器に適しており、移乗介助機器、車椅子の起立動作支援機器、身体装着型の関節リハビリ機器等への応用が図られている。MHアクチュエータがの動力源と決定的に異なる特徴は熱で動作する点である。周囲に適当な熱源があれば、それを供給して水素放出させ、自然冷却で水素吸収をさせると、電力供給が不要の動力源となる。本研究の目的はMHアクチュエータを環境での廃熱を利用して積極的なエネルギー供給なしで駆動させるエネルギーレスアクチュエータの開発である。MHの特性として熱供給による水素の放出は極めて急峻であるが、熱量供給を遮断したときの水素再吸収に多大な時間を要するという問題があり、これが廃熱駆動を困難としていた。MHの合金組成の改良によりこの問題を克服し、その特性をさらに向上させることで電力供給を必要としない特殊な動力源が実現することができる。本年度は、水素吸収特性を向上させるためにベースとなる組成LaNi5に添加するAl、Co等の元素量を微調整した2種類のMH (MH_2・MH_3)を制作して、そのあ水素吸脱特性を許測した。室温環境における自然冷却での水素吸収は従来型のMH (MH_1)と比べてMH_2は2倍以上、MH_3は5倍以上と大幅に改益した。温水を熱源とした水素放出実験では、MH_2は40℃以上で放出が確認され、MH_3は80℃以上の温水を必要した。結果として、MH_2とMH_3の両組成は環境熱源よる水素の放出と自然冷却による吸収が確認きれ、廃熱で駆動する動力源としての要求を満たすことが明らかとなった。次年度はさらなる水素吸脱特性の改善、空気圧変換部品など有負荷動作の検証実験、太陽熱での駆動の検証実験が課題である。
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