2009 Fiscal Year Annual Research Report
近赤外線経皮エネルギー伝送による筋電義手用低侵襲完全埋め込み型インターフェイス
Project/Area Number |
20500492
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Research Institution | Musashi Institute of Technology |
Principal Investigator |
島谷 祐一 Musashi Institute of Technology, 工学部, 准教授 (20154263)
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Keywords | 生物・生体工学 / 生体機能代行 / 筋電義手 / 電極 / 近赤外線 / 経皮発電 |
Research Abstract |
平成21年度の研究は実施計画どおりに進めることができ、一部予想を上回る研究成果を上げることもできた。 1.電極の開発:以前は金属線を骨格筋内埋め込み電極として用いたが、金属疲労による破損が生じて長期間にわたる記録はできなかった。そこで本年度は非金属材料を用いた電極の開発を重要課題として研究を進めた。電極材料として、当初カーボンブラックをフィラーとした衣料用の導電性繊維を用いたが、電気抵抗値が高く金属のような電極性能を得ることが出来なかった。その後、カーボンナノチューブをコーティングした導電性繊維を入手しその特性を調べたところ、生理食塩水中で金属電極に匹敵する低抵抗値を示すことがわかった。これを記録電極として用いたところ、ラットを用いた数ヶ月間の生体内埋め込み実験においても切断破壊されることなく電極性能を維持するという良好な結果を得た。現在この電極の耐久性および生体適合性の試験を目的とした長期埋め込み実験を継続中である。 2.複数筋からの筋電記録:昨年度のもう一つの課題は、複数の骨格筋からの同時記録であった。このために2つの方法を試みた。一つはすでに開発に成功していた1チャンネルの筋電インターフェイスを2つの筋に埋め込み同時記録を行う方法である。そのために2チャンネルのコントロール装置を新たに作成し、ラットの歩行に同期した後肢筋電の記録を試みた。これは比較的簡単に達成できた。もう一つの方法として、筋内に埋め込む体内ユニットの他チャンネル化を試みた。複数の記録電極からの信号を、アナログマルチプレクサを用いて多重信号化し、それをパルス幅変調して体外に無線通信する装置を設計した。体外での実験で通信に成功し、現在埋め込みにむけて小型化、省電力化を試みている。
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