2009 Fiscal Year Annual Research Report
視覚・固有受容系による各種動的筋力発揮調整能の優先性に関する研究
Project/Area Number |
20500506
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Research Institution | Kyoto Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
長澤 吉則 Kyoto Pharmaceutical University, 薬学部, 准教授 (40299780)
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Keywords | 握力 / 上肢伸展屈曲力 / 調整能 / 要求値 / 神経-筋機能 / 視覚 / 固有受容系 |
Research Abstract |
パソコン画面の要求値(移動指標)に筋力発揮値を合わせる上肢(握力:静的筋力)・下肢(脚伸展力:動的筋力)の筋力発揮調整能測定装置を用いて、最大下での能力発揮に基づく有効な動的筋力発揮調整能の測定・評価法を検討した。当初の予定では視覚・固有受容系(視覚情報の有無)による動的筋力発揮調整能測定値の優劣の検討まで行う計画であったが、被験者への測定結果フィードバックを平易に行う上で筋力発揮調整能評価値の基準値の作成および評価値に及ぼす筋力の影響を検討する必要性に迫られたため、この課題は次年度に引き続き実施する予定である。上肢の筋力発揮調整能評価値について、10歳代後半から70歳以上までの広範な健常男女を対象に、規則的移動指標および不規則的移動指標による筋力発揮調整能評価値の基準値を男女別に直線および2次回帰式に基づき5点法にて作成し、いずれの移動指標の基準値も利用可能と判断された。この評価基準値は筋力発揮調整能に劣る者のスクリーニングやトレーニングの利用に使用できる点で意義がある。特に神経-筋機能が低下する虚弱高齢者のリハビリテーションに有効と考えられた。健常青年男性を対象に、筋力発揮調整能評価値に及ぼす握力の影響を検討した結果、青年男性では筋力発揮調整能評価値に及ぼす握力の影響は低いと推測された。下肢の筋力発揮調整能測定値の再現性は高いが、筋収縮様式の違い(等尺性、等張性、等速性)により測定値間の関係はそれ程高くはなかった。下肢の筋力発揮調整能の測定値を精度高く得るためには、動作をより厳密に規定し、測定する必要があると考えられた。横断的、時系列データから筋力発揮調整能の左右差を検証した結果、握力とは異なり顕著な左右差は認められなかった。
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