2009 Fiscal Year Annual Research Report
跳躍動作におけるスキル獲得過程に関する幼稚園年少期から小学校3年生までの追跡研究
Project/Area Number |
20500508
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
山田 洋 Tokai University, 体育学部, 准教授 (30372949)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 達郎 東海大学, 体育学部, 教授 (30130058)
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Keywords | 二次元動作解析 / Kinematics / 発育発達 / 重回帰分析 / 初速度 / 跳躍角度 / 走動作 / 投動作 |
Research Abstract |
スキャモンの発育曲線にみられるように、幼児期から小学校の低学年までは神経系の発育が著しい。したがって、この時期に適切な運動刺激を加えることにより神経系の発達が促され、動作の「巧みさ」に正の影響を与えるといわれている。子どもの運動能力の低下、運動嫌いが深刻な社会問題のひとつとなっている昨今、この「巧みさ」、すなわち「スキル」の獲得過程を縦断的に捉え、効果的な訓練プログラムを構築することは体育・スポーツ科学における最も重要な研究課題のひとつであると考えられる。我々はこれまで幼児期(年少:4歳児、年中:5歳児、年長:6歳児)の跳躍動作を対象に二次元動作解析を行い、下肢の各関節(股関節・膝関節・足関節)における角度変化曲線間の順次性を指標として「運動伝導」を調べ、バイオメカニクス的な観点から動作の「スキル」の獲得過程を評価してきた。本研究では、今後、さらに3年間のデータを追加し、この「スキル」の獲得過程を、幼児期から小学校低学年(一年生:7歳児、二年生:8歳児、三年生:9歳児)までにわたって縦断的に捉えることを目的としている。 今年度は、これまでの「運動伝導」を観点とした縦断的な検討に加え、新たな指標を用いての検討を試みた。具体的には、神奈川県横浜市の幼稚園に通う園児154名の跳躍動作の映像データを学年別に分類し、重回帰分析を用いて横断的に検討した。その際、立ち幅跳びの沈み込みから踏み切った直後までの動作を対象として、跳躍距離に影響を及ぼす要因として身長・体重・跳躍初速度・跳躍角度・体幹前傾角度・下腿前傾角度・腕降り・沈み込みの関与について検討を加えた。その結果、年少では体幹前傾角度、年中では跳躍初速度、年長では下腿前傾角度と跳躍初速度が跳躍距離に結びついていることが明らかになった。また、今年度は跳躍動作に加え、投動作・走動作についても映像解析を実施した。これらの結果については、既に発表済みである。
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Research Products
(5 results)