2008 Fiscal Year Annual Research Report
動きの"コツ"の指導基盤としての能動的運動感覚意識の形成に関する例証的研究
Project/Area Number |
20500509
|
Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
佐藤 徹 Hokkaido University of Education, 教育学部, 教授 (80125369)
|
Keywords | 運動指導 / コツ / キネステーゼ / 運動感覚意識 |
Research Abstract |
今年は本研究の初年度であることから, 運動と意識に関する基礎的研究、ならびに「運動感覚意識」に関する事例考察を進めた。 1) 運動感覚意識の構造について、能動的ならびに受動的キネステーゼの観点から分析した。 実際の運動行為において、熟練した実施者に意識されている動きのコツ(能動的キネステーゼ)をアンケートやインタビューによって調査し、そこに意識されていない受動的キネステーゼを探り出した。キネステーゼの分析にあたっては、単に実施者の意識を聞き出すだけでは、意識化された内容しか情報として得ることができないため、行われた運動の客観的事象との関連を探らなければならない。そのために、運動の客観的構造ならびに運動技術の理解を深めるためにビデオ映像から運動経過の分析を行った。 2) 一般に流布している運動指導方法論の妥当性を発生運動学的視点から検証した。 スポーツの指導法に関しては、個別スポーツ種目の技術書に加えて、今日では数多くのWebページで指導法が公開されている。しかし、「動感匿名性」によって、それらの経験的指導法の多くは指導者に意識された内容(能動的キネステーゼ)だけに基づいたものであり、熟練者が無意識的に行っている受動的キネステーゼが考慮されていないため、実践には有効に作用しないことがある。この問題に関する事例を文献やWebページで検索し、その問題点を明らかにした。 これらの研究成果を以下の学会において口頭発表した。
|