2009 Fiscal Year Annual Research Report
動きの"コツ"の指導基盤としての能動的運動感覚意識の形成に関する例証的研究
Project/Area Number |
20500509
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Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
佐藤 徹 Hokkaido University of Education, 教育学部, 教授 (80125369)
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Keywords | 運動指導 / コツ / キネステーゼ / 運動感覚意識 |
Research Abstract |
今年度は主として運動と意識に関する基礎的研究を進めた。研究成果を、指導している大学院生と共同で、「運動指導における運動感覚の言語表現と動感共鳴-陸上競技のクラウチングスタートについて-」というタイトルの論文にまとめ、北海道教育大学紀要に掲載された。これは、スポーツにおける運動発生について、言語と動感(キネステーゼ)の関連構造を事例的に研究したものである。 また、同じく大学院生と共同で事例的研究を行い、その成果を北海道体育学会で口頭発表した。タイトルは、「運動指導におけるコツの意識化-ピッチャーの投球動作について-」であり、運動実施者の意識と実際の運動経過との関わりを構造的に検討したものである。 個人研究の成果も学会発表を行った。人間の運動では、明確に意識された能動的(自我の関与がある)志向性だけでなく、受動的(自我の関与がない)志向性に基づいた身体運動が、きわめて多様なかたちで展開される。それに気づかないと、小どもや選手が行った運動を外的経過のみから評価判断し、本質的特性を見逃すことになる。そのような問題が如実に現れる学校体育の現場で、指導者が配慮すべき問題を提起するために、日本スポーツ教育学会で口頭発表した。テーマは、「子どもの運動志向性からみた運動能力評価の問題性-現象学的運動学の視点から-」である。 さらに、運動と意識、運動志向性、ネステーゼなど、体育授業における指導者ならびに学習者の実践的問題圏について現象学的視点から構造解明を企図した論文を筑波大学(人間総合科学研究科:コーチング学)に学位論文として提出し、受理された。
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Research Products
(4 results)