2008 Fiscal Year Annual Research Report
運動実践における思考の独自性-身体運動の現象学的分析-
Project/Area Number |
20500513
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
瀧澤 文雄 Chiba University, 教育学部, 教授 (50114294)
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Keywords | 身体教育学 / 身体性哲学 / 運動実践 / 思考の論理 / 現象学 |
Research Abstract |
本研究の目的は、「運動実践に不可欠な思考の論理」を提示することである。このために、運動実践と身体的思考との関係を探り、運動習得における身体的思考の役割を明確にする。本研究の目的を達成するために、初年度ととして、研究の論点を明確にすることによって理論構成を行った。さらに、運動実践における思考との区別を際立たせるために、言語的思考に関わる先行研究を収集・検討した。 特に、身体的思考(非言語的思考)を明確にするための前段階として、言葉による思考の論理を文献研究によって明らかにした。言葉は運動実践において重要な働きを担っているが、どのような場合に言葉が重要になるのか、またその言語使用はどのような限界を持つのか、を検討した。その際、運動実践における言語的思考の限界についても考察した。このことによって、運動実践の独自性を捉え直すと同時に、運動指導場面における有効な言葉の使用にも示唆を得た。 本年度、Research Seminar for Sport Philosophy 2008が国立オリンピック記念青少年総合センターで開催されたので、当該学会で本テーマに関連する発表「運動実践における言語の役割とその限界」を行い、運動指導における言語使用について議論した。学会後も上記研究を続行すると共に、実践的な指導を行っている研究者と話し合う中で言語使用の問題点を明確にしたい。以上の成果として、論文「運動実践における言語使用とその限界」を「体育・スポーツ哲学研究」に投稿した(審査中)。
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