2009 Fiscal Year Annual Research Report
保育者養成における専門性育成の現状と課題-幼児の体育・運動指導に関して-
Project/Area Number |
20500514
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
吉田 伊津美 Tokyo Gakugei University, 教育学部, 准教授 (30335955)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩崎 洋子 日本女子大学, 家政学部, 教授 (90064378)
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Keywords | 幼児 / 運動指導 / 保育者養成 |
Research Abstract |
本年度は、(1)前年度収集したシラバスから、養成段階での教授内容を明らかにし、認定免許状による共通性および特異性等を引き続き整理すること、(2)質問紙調査を実施し、園での指導の在り方、保育者が養成課程で学んだ内容等について明らかにすることが目的であった。シラバスについては引き続き分析を行ない内容の整理を行なった。また、質問紙については昨年度作成した内容に若干の修正を加えて再構成、平成21年7月~9月に調査を実施した。対象は、幼稚園教育要領の改訂および在職後の研修等の影響を考慮し、在職年数の浅い幼稚園教諭753名であった。質問紙調査に関しては、以下の分析を行なった。 幼稚園における運動指導の実態および幼稚園教諭の運動指導に対する意識について国公立幼稚園と私立幼稚園を比較した。その結果、国公立幼稚園に比べて私立幼稚園では、幼稚園教諭以外の外部派遣講師による体育・運動指導専門の指導者が指導にあたっている園が多かった。私立幼稚園での指導内容には「マット・鉄棒・跳び箱」という器械運動が最も多く、次いで「体育・運動遊び」「体操」があげられていた。一方、幼児期の運動指導の在り方についてたずねたところ、国公立幼稚園教諭よりも私立幼稚園教諭の方が、体力向上のためのマラソンや、技能習得のための鉄棒や跳び箱等の技術指導を行なう必要性を高く持っていた。園で行なわれている運動指導者による指導に対する幼稚園教諭の満足度は高く、私立幼稚園では技術指導重視の指導が行われていることが示唆された。また、園全体での運動指導においては公立幼稚園教諭の方が満足度は低く、自身の運動遊びの指導に行き詰まりを感じているとも考えられた(日本発育発達学会にて口頭発表)。今後は、養成段階でのカリキュラムとの関連で分析を進め、これら相違の生じる背景について明らかにしていく。
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