2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20500515
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
吉川 和利 電気通信大学, 情報理工学研究科, 教授 (00112277)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 英孝 電気通信大学, 情報理工学研究科, 准教授 (20303018)
狩野 豊 電気通信大学, 情報理工学研究科, 准教授 (90293133)
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Keywords | 合気道 / 基礎体力 / 体力・運動能力テスト / 呼吸力鍛練法 / 天地投げ / 3次元動作解析 |
Research Abstract |
I.合気道技のうち、片手取り呼吸法に関して三次元動作解析法を用いて動作を段位横断的に解析し、熟練度が動作に及ぼす影響について検討した。(1)呼吸センサを利用して呼吸位相を検討した。上級者では「崩し前」に吸息の傾向がみられ、受けに重みを乗せて倒す際に呼息する傾向がみられたが、未熟練者では観察されなかった。(2)力学的エネルギーの伝達についても検討した。上級者および初心者では、「崩し後」において明らかに未熟練者よりも大きな仕事を行っていた。また、上級者になるほど受けと取りの間のエネルギーの伝達が大きかった。さらに(3)上肢の関節角度変化についても検討した。上級者あるいは初心者では未熟練者に比べ「崩し前」に肘をより大きく屈曲させ、「崩し後」にはより大きく伸展させていた。以上のことから、合気道の習熟に伴って呼吸のタイミング、受けへのエネルギー伝達および肘の使い方が変化することが示唆された。 II.文部科学省のスポーツテスト項目に加え、体脂肪率など体組成項目を指標に高校生合気道部員の基礎体力を検討した。(4)男子の6つの体力計測値の分散分析結果は有意であり、3カ年間の体力発達がすべての計測値に認められた。また6項目すべてにおいて1年次<2年次<3年次の順に平均値は上昇傾向を示し、多範囲検定の結果、持久走を除く他の5つの計測値は1年次と3年次の差が有意であった。(5)女子の体力計測値6項目のうち、持久走を除く5つの計測値の平均が1年次<2年次<3年次の順に上昇傾向を示した。持久走も2年次と3年次の平均値の差も微小なものであった。多範囲検定の結果、上体起こしは1年次と3年次の差が有意なものであり、持久的筋力は2年間以上を経過しながら緩やかに伸長発達を示すと考えられる。(6)合気道練習者にみられるこうした体力の発達は最近の高校生一般の体力伸長傾向よりも好ましい方向にあると指摘できる。
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Research Products
(2 results)