2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20500522
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
三輪 佳見 宮崎大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (00182064)
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Keywords | 運動指導論 / 発生論的運動学 / 促発分析 / 身体知 / 子ども |
Research Abstract |
本年度は、20年度に宮崎大学教育文化学部附属幼稚園・小学校・中学校の協力を得て行った、飛んでくるボールを道具で打つという動きの発生を促す指導に関する研究を発展させた。20年度は打つという運動の構造分析から、捕る課題を設定することで、動いているボールと出会う感覚を育てた。しかし、今回は捕ることもできない小学生を指導対象として実践的に研究を進めた。 はじめに飛んでくるボールをプラスチックバットで打つという課題をさせると、バットを振るというよりも、からだの前に差し出すだけで、全くボールに触れることができない。その児童に虫取り網のように作りかえたバドミントンラケットで捕るようにさせてみたところ、ラケットを少しすくい上げるように動かすものの、捕ることはできなかった。そこで、野球のバントのように構えさせ、捕る場所(ラケット面)と手の位置を近づけるようにしたところ、捕ることに成功した。次に、同じように構えてバットで打つという課題をさせると、ボールを捕らえられるようになった。さらに、投げられたボールの方向を90度変えるように手で打つことを行い、胴体が関与した動きを発生させ、最終的には短めに持ったバットで打てるようになった。この成果を日独スポーツ科学会議で発表した。 また今年度は、ボール運動に関する研究を、動く他者(人)と関わる運動、すなわちボールゲームの指導プログラムというテーマへと発展させた。ゴール型のボールゲームを取り上げ、系統的な指導について、附属学校園の協力を得て論文にまとめた。幼稚園の実践結果より小学校の指導の起点を確認し、技術力と戦術力を一体的にとらえて、中学年と高学年のゲームを考案して授業を実践した。その結果、子どもたちのボールゲームの技能、つまりボール操作とボールを持たないときの動きを一体的に向上させることができた。
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