2008 Fiscal Year Annual Research Report
幼少年期の運動能力の構造および有効な運動あそびの提案
Project/Area Number |
20500524
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Research Institution | Ishikawa Prefectural University |
Principal Investigator |
宮口 和義 Ishikawa Prefectural University, 生物資源環境学部, 准教授 (60457893)
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Keywords | 幼児用ラダー / 調整力 / ケンバ遊び / 重相関 |
Research Abstract |
幼少年期には、神経系の機能と密接な関係がある巧緻性、敏捷性、平衡性、協応性などの調整力が顕著に発達する。調整力は、いろいろな幼児の遊びの中で発達するものである。よって、幼児の運動能力を捉えようとした場合、いろいろな遊びの中から身体調整が深く関与する代表的な動作を測定し、発達状況を捉える方が、幼児にはふさわしい。また、運動遊びが豊かに展開されるには、幼児が身体活動の楽しさを十分に味わう体験がなければならない。そのためには、内発的動機付けによる遊びを引き出すための、保育者の適切な指導が不可欠だろう。 本研究では、保育現場で展開できる有効な運動遊びを提案するため、幼児用に開発した“チビラダー"を用いて、年代別に成就可能なラダー課題を検証するとともに、基礎運動能力とラダー課題との関係について検討した。被験者は幼稚園児625名(年中:324名、年長:301名)であった。運動要素及び難易度の異なる9種のラダー課題(かけ足、スキップ、両足開閉ジャンプetc.)と運動能力測定(20m走、立幅跳、テニスボール投げ、及び両足連続跳び)を実施した。ラダー課題は巧拙レベルを4段階で評価した。いずれの課題も年長児が年中児に比べ成就率で高値を示し、課題間の相関係数も年長児が高い傾向にあった。各課題は相互に関連し、複合して基礎運動能力(総合得点)に影響を及ぼすと考えられる。そこで数量化理論I類を適用し検討した結果、年中児・年長児ともに基礎運動能力と各課題の複合的関係が認められた(年中児:R=0.55年長児:R=0.50)。特に、両足開閉ジャンプが両年代とも基礎運動能力に及ぼす影響が大きいことが明らかにされた。年中児ではジグザグジャンプ が、年長児ではこびとスキップの重要性も示唆され、現代の子どものコーディネーション能力を改善する運動遊びの一つとして有効と考えられた。
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Research Products
(1 results)